2017年12月21日木曜日

Juice=Juice 植村あかりバースデーイベント2017 (2017-12-07)

Hello! Projectで私が31番目(12月3日時点)に応援しているメンバーさんの、23日後のお誕生日を祝したイベントを観覧するために、埼玉から川崎まで来ました。東京都を跨いでいます。平日です。仕事は調整して早く退勤しました。意味が分からないですよね。普通に考えて。でもね、私には意味が分かっているんですよ。私は今年の誕生日(8月16)に、HEAVEN'S ROCKさいたま新都心VJ-3にJuice=Juiceさんのコンサートを観に行きました。終演後の握手会では恐れ多くも、自分の誕生日である旨を皆さん(当時、休養中だった宮本佳林さんを除くJuice=Juiceの6名)にお伝えしたんですね。全員が祝福のお言葉をかけてくださって、私にとって忘れられない誕生日になりました。中でもいちばん大袈裟に祝ってくれたのが植村あかりさんだったんです。感激しました。そのときに心に誓ったんです。この恩は絶対に返すって。次の彼女のバースデー・イベントには足を運んで、いただいた祝福を返さないといけない。だってさ。こっちは追加料金を払っていないんですよ。誕生日お祝いオプション(そんなものはない)を購入したわけじゃないんですよ。それなのに身に余るほどのお祝いをいただいてしまって。このまま一方的に受け取って終わりじゃ乞食じゃないですか。そうなりたくなかったんですよ。8月16日は植村さんの日替わり写真すら買っていなかったんで、なおさらでした。ジブン、義理堅い人間なもんで。ちなみに二年前の誕生日もJuice=Juiceのコンサートを観ていました(山口県の周南チキータでした)。当時は「今日、誕生日なんだ」なんてメンバーさんに申し上げる勇気と技量はありませんでした。

クラブ・チッタがヘッズから評価の高い会場とはいえ、平日の公演で場所が川崎というのは、申し込みボタンを押さない言い訳になり得る要素でした。あー、ちょっと川崎はきついよ。平日だしなあ、残念だけど見送るか―イベントの詳細が発表された際、そんな考えが私の頭をよぎったのを認めます。その内なる声を振り切って、19時45分からの回に応募しました。正直なところ、外れてもいいやという思いが頭のどこかにあったのも認めます。はじめから申し込まなかったらクソ野郎だけど、申し込んだけど落選して行けなかったのであれば、格好はつくじゃないですか。筋を通すために植村さんのお誕生日を祝いに参上しようとしたけどアップフロントにそれを遮られたという体裁が取れますからね。でも、当選しまして。仕事場を16時すぎに出て、池袋へ。電車でHunter S. Thompsonの“Songs of the Doomed”を少し読みました。トンプソンがモーテルのトイレに豚の頭を置くいたずらをする話を読みました。揺れていたし、少し疲れたので目を閉じました。まどろみつつ周りにいる中国人の喋り声を聞いていると、昔の記憶がよみがえりました。私は海外に住んでいた小学生時代、香港出身の友人が何人かいました。彼らから「食包皮(セッバオペイ)」という中国語を習いました。チ▒コの皮を食えという意味です。学校でそのフレーズを中国系の女子にシャウトして男子から笑いを取る、そんな時期が私にもありました。池袋の「串串香 麻辣湯」で麻辣湯(魚丸、肉丸、香菜、黒木耳、油あげ、細い麺、エノキタケを選択)を掻き込みました。川崎駅に着いたのが19時15分。開演の30分前。入場を始める時間でした。

「無視する悪魔の囁き 『リアルMC』肩書き まばたきの間に川崎」(K DUB SHINE、『陽はまた昇る』)

川崎といえば『フリースタイル・ダンジョン』初代モンスターの一人だったT-PABLOWさんが所属するBAD HOPです。まあ私は未だに彼らの音楽を聴いたことがないのですが。磯部涼さんの『ルポ 川崎』によると川崎じゃ地元民にとって希望の星らしいですね。植村あかりさんのバースデー・イベント会場がクラブ・チッタであるという事実は、彼女が上下スウェット、ハロー!キティのサンダルでドン・キホーテに出没しBAD HOPのような連中とつるむ人生ではなく、ハロー!プロジェクトとJuice=Juiceに入る人生を選んでくれたことのありがたみをよりいっそう強く感じさせてくれます。前に川崎に来たときに、うっすらと治安の悪さを肌で感じました。何となくですけどね。川崎駅を出ると、右前方にクラブ・チッタのロゴが見えます。『ルポ 川崎』によるとこの近辺には風俗店とそれを取り仕切るヤクザの事務所があるらしいです。私は深入りしていないんでよく分かりませんが、ただならぬ町ですよ。ここは。

「スケートパークで、『Compton』とオールド・イングリッシュで書かれたTシャツを着た若者に『いいTシャツだね』と声をかけると、彼は『最近、『ストレイト・アウタ・コンプトン』を観たんですけど、川崎ってコンプトンみたいじゃないですか』と答え、ランプ(坂状のセクション)に向かって滑り出した。」
(磯部涼、『ルポ 川崎』)

私が会場前に着いた時点で、グッズの全部セット(グッズが全種一つずつに加えておまけの写真一枚付き)が売り切れていませんでした。これくらいの時間になると売り切れていることが多いので、ちょっと珍しかったです。19時26分に中に入りました。私に与えられた席はJ列でした。あんまりよくないんだろうなと思って、期待せずに入りました。ちょうど真ん中くらいでした。なぜか列のアルファベットはIがなくて、一つ前がH列でした。思ったよりは近かったです。クラブ・チッタに来るのは私にとって二回目ですが、いい会場だと再認識しました。前回は前方に行けたので言わずもがなですが、今日のように普通の位置でも見やすかったですからね。双眼鏡を堂々と使うのを少し戸惑うくらいには近くて視界がよかったです。ステージ上の植村あかりさんから見られている感覚がありました(レスをくれたという意味じゃなくて)。

BAD HOPだけじゃなくてさわやか五郎さんの地元でもあるんですね、このマッド・シティは。それもあるのかな、彼が司会でした。最近はイベントの司会が複数の芸人さんに分散されて彼の姿を見る機会は減りましたが、さわやか五郎さんは一味違いますね。鈴木啓太さんは別にしても、他の芸人さんはさわやか五郎さんの域には達していない。彼が登場するとお約束のブーイングを浴びせる我々。1回目よりも声が大きいと喜ぶさわやか五郎さん。

私の目の前にインパクトのある禿げ方をなさった紳士がいて、しかも開演前にはのけぞって頭頂部を間近に寄せてくるもんだから、笑いそうになってしまいました。視覚的なインパクトが凄かったです。今でも思い出しますもん。でもね、植村あかりさんが登場されるや否や、その脳内記憶は上書きされました。もう、美しすぎて。30センチ先の“Deep Impact”(いよいよ壁ならぬ髪はなくなるぞ)を十メートル以上の距離から打ち消す植村あかりさんの美貌。(いや、今でも前の紳士の頭頂部を覚えてるってことは上書きされてないですやん。)いやあもう、めっちゃくちゃきれいでした。Hello! Projectメンバーさんのよさを計るには色んな尺度がありますけど、美人という括りでは格が違うんじゃないかなって思いました。“UNSTOPPABLE”(何使ったって止めらんねえ 誰がやったって超えらんねえ)ですよ。衣装がまたよかったんです。露出度はそこまで高くはなかったですけど、身体の線が出る服装で。それがまた植村さんの色気を強調していました。わたしという戦うボディをタイトなジーンズにねじ込んでらっしゃって、ぴったりしたタンクトップに黒いジャケットを羽織られていました。あんまりHello! Projectぽくない、大人な感じ。眼福でした。ミニ・コンサートでは二曲目の『悲しき雨降り』(℃-ute)と三曲目の『愛のダイビング』でタンクトップがたくし上がって、おへそが見えました。この状況で双眼鏡を使わないのは無理です。生唾を飲み込む艶めかしさでした。『愛のダイビング』の前後でずれたタンクトップを直してらっしゃいました(たまに隠すのがまた、見せたくないものが見えているんだぞっていう感じが出ていいですよね)。四曲目と最後の五曲目はあまり踊らない曲だったのでおへその国は鎖国状態でした。昨今のHello! Projectではおへそが見えるオポチュニティが稀少になっています。そんなご時世で、レベルが違うボディをお持ちの植村あかりさんのおへそを見られただけで川崎まで来た甲斐がありました。どこを見ているんだお前はという読者の声は、現場に来もしないで他人が書いた文字を見て文句を垂れるヘイターの戯れ言として一蹴したいと思います。『悲しき雨降り』は私が℃-uteの中でも最も好きな曲の一つです。そんな楽曲派である私が、同曲における植村さんの歌唱とダンスの素敵さをさておいておへそが見えた嬉しさを記録したくなるくらい、植村さんが色っぽかったのです。後から発売される画質の悪いDVDでは部分的にしか感じ取れないと思います。現場に来ないと感じられないことってのはあるんですよ。サプライズで登場したカントリー・ガールズの山木梨沙さんが「私はカントリー・ガールズのセクシー代表なんですけど、植村さんを倒さないとHello! Projectのセクシー代表にはなれない」という旨のことをおっしゃっていました。いやいやと恐縮していましたが、植村さんの場合は私はセクシーだなんてボーストをしたら突っ込みどころがなさすぎて嫌味になってしまうくらいに本当にセクシーです。そんな植村あかりさんが、そう遠くない距離で歌い踊り笑う姿を見られたのが幸せでした。他には『愛のダイビング』で、Juice=Juice全体で披露するときは代わる代わる踊るメンバーさんの名前を我々が叫ぶ場面で、我々による連続した「あーりー!」のチャントを浴びながら植村さんが浮かべた、驚くような照れるような嬉しそうな表情が印象的でした。

ミニ・コンサートの選曲について植村さんは「私がやるにはハードルの高い曲ばかりだった。ある曲についてはマネージャーがやってみなよと背中を押してくれた。挑戦してよかったと思う。難しいことに挑戦するからこそ、次にこうしたいと思える」という旨のいいことをおっしゃっていました。アイドルさんはこうやって、問題なく出来ることをやるだけじゃなくて、伸びしろとか、可能性を想像させてくれると応援のしがいがあります。

客席から参加者を募っての漢字書き取り対決(さわやか五郎チーム対植村あかりチーム)、風船が割れるまでに与えられたひらがなで始まる漢字を植村さんが19個書けるかのゲームがありました。小▒田▒栞さんの有名おまいつさんが最前中央にいて、ゲームに参加しステージに上がっていました。さわやか五郎さんがけっこう彼のことをいじっていました。「お兄さん、それ頭に芝生のせてますよね?」から始まって。ミニ・コンサート中は飛びまくっていました。この公演で飛んでいたのはおそらく彼一人です。現地に来られなかった方は彼の跳躍を後日DVDでお楽しみください。 漢字書き取り対決は植村あかりさんチームが圧勝。植村さんの漢字タイム・アタックは「と」から始まる漢字を書き始める。順調に書き進める植村さんだが、ネタが尽きる。分からなくなったらもう一つ引いていいという事前にさわやか五郎さんが追加した特別ルールによって植村さんが箱から引いた文字が「そ」。これは思い付かなくて、結局12個で終了。 「そはないですよ」と愚痴る植村さん。来年も同じゲームをやろう、そのときは数が(20歳だから)20個に増えているけど、とさわやか五郎さん。

20時39分、本編が終了。近くから「あそこで人形を掲げてたバカ」「人形?」「ほら、パペットだよ。手にはめて高く上げやがって。あれがちょうどオレの目線に入ってさ。ぶん殴ってやろうかと思った」という会話が聞こえてきました。お見送りでは私の前のおまいつらしき紳士が何か変なことを言ったっぽくて植村さんは呆れたような顔で「……? バーカ」という反応。そこで時間を食われて私は流れつつありましたが、何とか「『悲しき雨降り』よかった」とお伝えできました。植村さんは満点のアイドル・スマイルで「あー! ありがとう!」と返して両手を振ってくださいました。つばきファクトリーのrelease partyで鍛えられたおかげで、こういうイベントのお見送りで手短に端的に感想を伝えられるようになりました。相手が多人数だときついですが、一人だと苦じゃなくなりました。20時51分、クラブ・チッタの外に出ました。2017年に観覧したバースデー・イベントではいちばん楽しかったし、後味がよかったです。心地よい余韻を噛みしめながら、子供でも犯罪・暴力と無縁ではいられない町(『ルポ 川崎』)を後にしました。