2018年10月5日金曜日

もみじ (2018-09-17)

最近のHello! Project研修生発表会は、厳密には研修生発表会ではなかった。デビュー済みのこぶしファクトリーやつばきファクトリーも出演していたからだ。私が最後に研修生のみ(+司会)の研修生発表会を観たのは2014年の12月だった。あの頃は生タマゴShow!という名前が付けられていた。後にこぶしファクトリーを構成する人員や、室田瑞希さん、船木結さん、羽賀朱音さんといった面々が研修生として出演していた。室田さんはアンジュルム、船木さんはカントリー・ガールズ、羽賀さんはモーニング娘。にそれぞれ加入し、同時に研修生としての活動からは足を洗った。2015年1月、研修生の中から新グループの結成が発表された。同年2月に集団名がこぶしファクトリーとなることが通知され、9月2日にはメジャー一枚目となるシングル『ドスコイ!ケンキョにダイタンラーメン大好き小泉さんの唄念には念(念入りVer.)』がドロップされた。ところがアップフロントは彼女らを2017年9月まで研修生発表会に起用し続けた。デビューから二年。モーニング娘。に選ばれた研修生が、モーニング娘。でありながら研修生発表会に何度も出続けるのはあり得ない。モーニング娘。になった時点で研修生ではなくなったのは明白だ。モーニング娘。の一員として活動していたら日程の関係で研修生発表会への参加は物理的に不可能だろう。一方、研修生から新たに立ち上げられた集団がどの時点で研修生ではなくなるのか、それは曖昧だ。名実ともに研修生という括りから外れるには、その集団としての活動が伴わないといけない。これはたとえば無職が書類上、株式会社を立ち上げただけで職を得たと言えるのかという問いに似ている。

二年間は長すぎた。普通に考えて、メジャー・レーベルでシングルを切った時点で研修生からは明確に切り離さないといけない。それが出来なかったのはアップフロントの責任だ。2018年9月現在メジャー・デビューから三年が経つこぶしファクトリーにはHello! Project全体のコンサートを除いて研修生発表会を上回る舞台はほとんど用意されてこなかった。研修生は四半期に一度、東名阪のZeppで発表会がある。一方のこぶしファクトリーは地方都市の小箱を中心とした巡業を続けている。かつてのJuice=Juiceとは違い、その先に日本武道館があるかもしれないというヴィジョンはまったくない。つばきファクトリーと合同で中野サンプラザとNHK大阪ホールでのコンサートを開催したのは一筋の光と言えるが、それも2018年5月まで待たなければならなかった。メンバーの相次ぐ脱退によって集団の発展にブレーキがかかったという見方もできる。しかし藤井梨央さん、小川麗奈さん、田口夏実さんが去った時期(2017年7月〜12月)を考えると、因果はむしろ逆だ。つまりメジャー・デビューしたにも関わらず一向に拡大しない活動規模が内部統制の乱れを招いたのだ。これは仮説だ。検証していないし検証のしようもないから、仮説というよりは戯れ言に過ぎない。しかし、研修生から昇格してもモーニング娘。かJuice=Juiceかアンジュルムに入らない限りは研修生よりむしろステージは小さくなり仕事内容は泥臭くなる(接触漬けになる)のがチグハグなのは議論の余地がない。地方都市のライブハウス(和製英語)巡業を今年から始めたつばきファクトリーにも言えることだ。

そのつばきファクトリーもようやく今回から研修生発表会に出なくなった。彼女たちのメジャー・デビューは2017年2月だったから、こぶしファクトリーに比べるとのりしろ期間は短かった。私はこれを歓迎する。そうじゃないと彼女たちが研修生から昇格した意味がないからだ。問題は研修生に与えられている以上の舞台をアップフロントがつばきファクトリーに用意できるかどうか。こぶしファクトリーを見る限り悲観的にならざるを得ない。しかしそうしてもらわないと辻褄が合わない。各グループ年二回の東名阪ホール(和製英語)ツアーくらい当たり前にやってくれ。最近のHello! Project各グループのコンサートはライブハウス(和製英語)か日本武道館と両極端になりがちだが、その中間を厚くしてほしいんだ。

ライムスター宇多丸さんが司会を務めるTBSラジオの『アフター6ジャンクション』に出演した上野まり子さん(ハロプロ研修生の歌唱指導を担当)が、特に名古屋と大阪はチケットが余っているので皆さん来てくださいという旨のことを言っていた。従来よりも売れ行きが少ないのか、いつも名古屋と大阪はそんなものなのかは分からない。もし前者だとすると、私には思い当たる理由が二つある。一つはつばきファクトリーの不出場、もう一つは転売集団の元締めと(2ちゃんねるで)される某有名最前おまいつが一線を退いたことでチケットの買い占めが減った可能性である。

つばきファクトリーは今日、新潟のライブハウス(和製英語)でコンサート。もちろん私はそっちに行きたいのもやまやまだったが、新潟にそこまで魅力を感じなかったのと(前にリリース・パーティで行ったが高い交通費を払ってまで再訪したい場所ではなかった)、経済的、健康的な理由で遠征をしばらく自粛することにしていたのだ。もっとも、仮につばきファクトリーの新潟公演に申し込んでいても外れていた可能性が高い。今の彼女たちは本当にチケットが取りづらい。でもたぶん新潟に集結していたんだろう、今日はつばきファクトリーのおまいつたちをZepp Tokyoでは見なかった。私は今回のつばきファクトリーのツアーに関しては静岡の昼夜、横浜の昼、群馬の昼夜を申し込んで静岡の夜だけが当選した。涼しい時期に彼女たちを観に、広島か博多に行きたい。Juice=Juiceでもいい。もう遠征に不安がない体調になってきている。7月からの食事制限が効果を表している。

コンサートが久しぶりすぎて(8月25日以来)、双眼鏡を忘れた。日替わり写真のアルバムも忘れた。14時過ぎに会場着。駅から会場までがやたらと混んでいた。何かのイベントがあるらしく、その辺の芝生で飲酒、セックス、殴り合いを始めそうな露出度の高い男女の若者が大勢いた。

14時すぎに現地に着いたがまだ外でグッズを売っている。並ばずに島倉りかさんの日替わり写真を購入。最後の一枚だった模様。席に着く。14時23分、開演前の握手を終えた新グループのメンバーさんたちが左の通路を抜けていった。つばきファクトリーとは違ってこっちを向いたり手を振ったりはしていなかった。今日は30列中の13列、真ん中のブロック。ちょうど中央くらいの、平凡な席だったので期待はしていなかった。実際に座ってみると思ったより近く、視界を大きく遮るジャンパーや大男もいなかった。双眼鏡なしでも意外と不自由はしなかった。とはいえ、平らなフロアなので、前方の観客によって視界はある程度、制限された。頭と頭の隙間を塗ってステージ上の演者さんを観る感じだった。運良くステージの真ん中付近はほぼずっと見えていた。為永幸音さんがその位置に来ることが多く、目に留まった。この人だけをずっと追いかけたいという人が今日はステージにいなかったし、為永さんはマイメンの崇拝対象だし、何よりお腹を誰よりも見せてくださっていたから。せっかくおへそを出してくださっているのに凝視しないのは失礼だし。

小野瑞歩さんがいなかったのと、双眼鏡を忘れたことで、余計なことを気にせずに純粋にコンサートを楽しむことが出来た。特定の人ばかりを観なかったこと、視界を拡大・限定する道具を持ち合わせなかったことで、集合体としてのハロプロ研修生のステージ・パフォーマンスを身体で感じることが出来た。いつも以上に、元気な若者たちの溌剌とした表現がまぶしかった。まことさんも終盤に、人生がうまくいくとは限らないけど、うまくいかないときに研修生のキラキラと輝く姿を観ると癒されるという旨のことを言っていた。

非の打ち所のない、最高に楽しいコンサートだった。セットリストが素晴らしかった。これ以上は望めないほど。まさにBest of Hello! Project MIXという感じ。Hello! Projectコンサートだと各集団の最新曲をやるとか、選曲する上での縛りが結構あると思うんだけど、それに比べて研修生発表会は自由だ。SHOCK-EYEさんの曲を聴かされる心配もない。『都会っ子純情』(℃-ute)、『Danceでバコーン!』(℃-ute)、『エイティーン・エモーション』(スマイレージ)、『初めてを経験中』(Juice=Juice)、そして最も意表を突かれたのが『すき焼き』(モーニング娘。)。そこでそう来るかっていう。たまらなかった。春の公開実力診断テストで『春恋歌』(つばきファクトリー)を選んだ理由を簡単だからと言ってのけた松原ユリアさんが今日、同曲をパフォームする中にいたのは趣があった。『Danceでバコーン!』は℃-uteのコンサートでは終盤やアンコール開け一曲目の定番で、絶対にヘッズがぶち上がること間違いなしのチューンだった。最近は聴く機会がめっきり減っていた。あの頃を思い出して、とても楽しい気持ちになった。通路へのいわゆる降臨は短時間でめくるめくメンバーさんが入れ替わっていく形式だった。次に誰が来るんだというワクワクがあった。私の近くには江口沙耶さん、清野桃々姫さん、小野琴己さん、松永里愛さん(いや、窪田七海さんだったか?)がお越しになった。『Danceでバコーン!』の心が随分と軽くなる…のくだりのムーヴでしなる小野琴己さんの背中。

クイズ形式のトーク・セグメントでは島倉りかさんと土居麗奈さんが話を披露した。島倉さん曰く、一岡伶奈さんと電車で移動中、一岡さんがプラットフォームの柱と壁の間に挟まった。バックパックが抜けなくなった。近道のつもりで通ろうとしたが、それが原因で乗り遅れた。周囲の人が冷たい目で見てきたので、私(島倉さん)も他人の振りをした。土居さん曰く、お店でタピオカ・ドリンクを頼んだがタピオカが一粒も入っていなかった。飲んでいる最中はおしゃべりに夢中だったが、飲み終えてから気が付いた。悔しくて後でもう一杯買って飲んだらお腹が痛くなった。そのセグメントとは別に、まことさんから新グループを結成してから印象に残ったことを聞かれた島倉さんは、握手会で地域(地方)の人たちと直接お話が出来たのが嬉しかったとにこやかに語った。受かる面接の受け答えのようですね、と一緒に観たギャンブル依存症の中島は後で私に言った。彼に島倉さんのような前向きな発言が出来れば、数え切れないほどの採用面接で落とされずに済んだであろう。