2018年10月8日月曜日

微熱 (2018-09-23)

LIVE ROXY SHIZUOKA。忘れちゃいけねえ。あんたも覚えとけ。どんだけイカしたライブハウス(和製英語)なんだろうと、入る前に期待していたよ私は。だってさ、出来たばっかなんだよ。2018年4月28日から営業を始めたらしくて。新しいというだけで期待が高まる。わざわざ2018年にクソ会場を作らないでしょ。普通に考えて。世の中に数多と存在するライブハウス(和製英語)に関する情報は、インターネットで検索すれば誰でもある程度は手に入れることが出来る。設立や企画に関わる人間であれば、世の中にどういうライブハウス(和製英語)があって、どの会場が評判いいのか悪いのか、それがなぜなのか、よく調べているはず。その上で勝算があるからLIVE ROXY SHIZUOKAを作ったはず(前からあった場所を居抜きで引き継いでいるのかもしれないけど)。魅力的な会場じゃないと継続的に多くのミュージシャンを呼べないだろうし、そうなると運営が立ち行かなくなって、関係者の食い扶持もなくなるわけでしょ。私が今日の公演に申し込んだ理由は、一つは静岡が日帰りで行ける土地であること(けっきょく泊まったが)、また久松でマグロを食いたかったこと、そして、LIVE ROXY SHIZUOKAへの期待。当然、小野瑞歩さんそしてつばきファクトリーを観たいという前提がまずあっての話。

笑っちゃうよね。アレは。整理番号はたぶん500番まで出ていて、私は460番だった。視界は悪くなるだろうという予想はついたっていうかそれは確定的だった。私が入るのは夜公演だけだったんだけど、昼公演を前の方で観ていたダチによると、小野瑞歩さんと谷本安美さんの肩、山岸理子さんの胸の張り、秋山眞緒さんの脚、それらが見所だということで。460番じゃそれらを堪能するのは絶望的だった。彼は夜公演でも私よりもいい番号を持っていたんだけど(エグゼ様なので)、前方の景色は昼に楽しんだからと言って夜は私の番号まで待って一緒に入ってくれた。入った時点でフロアがほぼ埋まっているのは想定内だったが、想像を超える光景がそこにはあった。ステージと我々の間に立ちはだかっているのは人だけではなかった。中に便所でも作れそうなほどにぶっとい柱が二本。入ってすぐのところの上にモニターがあって、そっちで観た方がええんちゃうかって思えた。Yokohama Bay Hallにも柱があるけど、あそこは横に広いから、避けようがあるんだよね。それに段差がいくつかあるから、総合的には観やすいんだ。一方、LIVE ROXY SHIZUOKAと来たら横に狭いから逃げ場がなくて。若い番号を割り当てられない限り、柱に妨害されない位置を取るのは構造的に無理だ。会場がクソなのは議論の余地がないけど、こんなにたくさんの人を入れるのは想定していないんじゃないかな? 500番までチケットを売り出すアップフロントにも責任がある。売るにしても6,000円くらいで売っちゃいけないよ。1,500円とかなら理解できる。

係員の誘導で人の隙間を塗って右寄りのほぼ最後方についたけど、ステージの右半分はほとんど見えなくて。例えば挨拶のときにつばきファクトリーの9人が横に並んだら、左の5人くらいしか見えなかった。私にとって右半分が見えなくなるということは、単に半分の視界を失うという以上のことを意味する。ご存じのようにみずちゃんが頻出するのがそっち側なので、ほぼ何も見えないに等しかった。かといって避難できる場所もない。もう今日はこういう日なんだと割り切るしかなかった。経験上、こういう突き抜けて劣悪な現場は後々いい思い出になるので、そうなるときを待ち望むしかない。私だけではなかった。開演前から私の周辺には呆れと諦めが蔓延していた。口々に何だよコレは…見えねえ…的に愚痴っていた。でも殺気立っている感じはなくて、穏やかだった。誰かが出し抜けできないのもみんな分かっていたので、一種の連帯感さえ生まれた。柱だけじゃなくて私たちの付近ではカーテンがかかっていた。せめてカーテンを取るとかさ…と私が隣のダチに愚痴ると、近くの紳士たちが観づらいですよね、コレ取れるんじゃないのと反応してくれて、一人がカーテンをちょっと後ろにずらしてくれた。それに乗っかって私が一番後ろまで動かした。それでだいぶマシになった(と言っても知れてるけど)。施設側であらかじめ外しとけや馬鹿どもが。

ひどすぎて却って楽しくなって笑い崩れるほどの鑑賞環境。さっき酒(フォーナイン)を少し入れてよかった。良番をもらわなければ、酒がなければやっていられない会場。それがLIVE ROXY SHIZUOKA。Fuckin' shit。辛うじて観客の頭と頭の隙間から見え隠れするメンバーさんたちのご尊顔(ただしステージの左~中央に限る)。それを断続的に最前中央からジャンプで遮るおまいつ(静岡が地元の小野田紗栞さんを支持していること知られる)のモウホーク頭。地獄のような光景。始まってから何曲かで、この難局から脱するために私の後ろにいた何人かが別の場所に移った。そこで私の左後ろが少し空いたので、そこにずれてみた。すると初めよりも見える領域が増えた。つばきファクトリー全員が横一列に並んだら左から7-8人は見えるようになった。右のお立ち台にメンバーさんが来たら見えるようになった。最初はそこがまったく見えなかったので、コレは大きい。みずちゃんが少しは見えるようになり、QOLが向上した。全身は見えないけど、可愛い髪型と楽しげな笑顔を確認できて、思わずこぼれる笑み。在来線を使って家から約4時間かけて静岡に来てよかったと思えた。今日のみずちゃんはいつもに比べても特別にハイになっている感じがした。コンサート中に彼女は、これまでも楽しかったですけど、今日は特に楽しくって、何でか分からないんですけど。でも自分が楽しむだけじゃなくて、皆さんにも楽しんでもらえるようにしないといけない。それが出来るようにしていきたい。という旨のことを言っていた。終演後の全員握手でも、列に並んでいる時点でいぇーーーーーー!!!!!っていう大きな声が聞こえてきて。誰かと思ったらみずちゃんだった。髪型が可愛かったですと私は伝えるつもりだったけど、対面するとすぐにいぇーーーーーー!!!!!(左手を上げながら)からのありがとうございますで、こちらから言葉を差し挟む余地はなかった。これまで何度も握手させてもらってきてここまで弾けている彼女を見たことがなかった。約500人の観客全員にやっていたのかな? とても印象的だった。他のメンバーさんも全員みんなしっかり目を合わせて向き合ってくださった。プロフェッショナル。リスペクト。

コンサート中に秋山眞緒さんはこの会場の見えづらさに言及していた。柱があって見えづらい人もいると思いますが…のような感じで、私たちを気遣っていた。心の優しい子なんだなと思った。言い方によっては会場側へのディスになるから、口に出すのは勇気の要ることだと思う。LIVE ROXY SHIZUOKAは、これまで私が訪れてきた中で最悪のライブハウス(和製英語)だ。私の中での三大shit venueは、ここ以外だと周南チキータ西川口Hearts

とにかくLIVE ROXY SHIZUOKAはクソ。何度でも言う。ただ、それでもコンサートは楽しかった。この鑑賞環境においても楽しませてくれるほどなのだから、おそらく素晴らしいコンサートだったんだろう。衣装、歌唱、ダンス、セットリスト、演出(といってもライブハウスではほとんどないが)等々の構成要素のうち、私が満足に認識できたのは歌唱とセットリストだけだ。コンサートの全容については判断がしづらい。想像が入らざるを得ない。それでも怒りとか悲しみとか無念さよりも楽しい気持ちが上回った。あんまり見えなくてもつばきファクトリーの麗しさ、可愛さ、カヴァーも含めた楽曲の楽しさ(職安のような芸名の紳士によるものを除く)はよく分かった。何より小野瑞歩さんがあれだけ楽しそうだったのだから、最高のコンサートだったに決まっている。

終演後、清水の久松で20時20分から21時50分まで(22時閉店)ダチと飲んで、東静岡駅前の物音ひとつしないストリートで1時15分まで歓談した。彼は水着姿のHello! Projectメンバーさんが掲載されたエッチ本(ヤングマガジン)を舐めるように凝視しながらフォーナインを飲み、私は水を飲んだ。その後、ダチはインターネット・カフェ、私は時之栖SPA&HOTEL天神の湯に向かった。お風呂が7種類もあった。チェックインした時間にはお風呂が閉まっていたが、翌朝、堪能した。天然温泉付きのカプセルに外れなし(サンプル数:3)。


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