2018年11月12日月曜日

Esperanza J=J DAY SPECIAL (2018-10-10)

つばきファクトリーの某おまいつとクリソツな同僚。背格好。顔の形。朝、会社の最寄り駅で電車を降りると少し前を歩いていた彼。私の脳内でその同僚とおまいつが同化しつつある。彼は元々Juice=Juiceの金澤朋子さんを一番に応援していたはずだ。いつぞやの金澤さんのバースデー・イベントではステージに上がってゲームに参加する姿がDVDに収録されている。私はそのDVDを買ってはいないがYouTubeの違法投稿動画で部分的に観たことがある。(ちなみにそのバースデー・イベントに私は申し込んだが落選した。)彼くらいになるときっと金澤さんご本人からもファンとして認識されていたことだろう。それがどうだ、最近では主戦場をつばきファクトリーに移し、すっかり某メンバーさんに熱を上げてやがる。Hello! Projectのコンサートでは某色の自作らしきTシャツを着用し、ペン・ライトを掲げ、某メンバーさんのソロ・パートで飛び跳ねている。Juice=Juiceが出てくるとペン・ライトを赤にして金澤さんのファンのように振る舞っているが、彼の中で彼女が第一の存在ではなくなっているのが明らかである。金澤朋子さんがバリバリ現役なのに平気でフラフラと崇拝対象を変える。節操がない。芯がない。リスペクト出来ない。そういえば、似た話を聞いたことがある。Juice=Juiceの宮崎由加さんが一推しだったのにつばきファクトリーの小野瑞歩さんに流れた奴がいるらしい…ってオレのことやないかい。

認める。私にとってナンバー・ワンの個人は宮崎さんから小野さんへと移った。(ナンバー・ワンとオンリー・ワンは数学的には同じなので区別するのは無意味だと何かで読んだ記憶がある。)ここでもはっきりと宣言している。ただ、集団としては相変わらずJuice=Juiceを最も強く支持していることに変わりがない。だから平日でも迷わずに申し込んだ。10月10日。Juice=Juiceの日。J=J Day。記念日、といっても結成日でもデビュー日でもない。語呂合わせに過ぎない。それでもJuice=Juiceにとって大切な日であることに変わりはない。平日(今日は水曜日)だからお客さんの来やすさを考えて次の週末に開催しようという生温い発想をアップフロントが抱くわけがない。こっちの都合はハナから関係ない。10月10日という日にJuice=Juiceと支持者たちが一堂に会することに意味がある。どうせ平日だろうと我々は会場を埋め尽くす。私に割り振られた1436という整理番号がそれを物語っている。年号でいえば室町時代。ファンクラブ先行の時点で、そもそも今日の会場にそんなに人が入るのかという疑念を抱かせる番号が出ているのだ。

午後休。全休も可能だったが、気乗りする整理番号ではなかったし、労働の状況が相当に穏やかではない。私の直属の部下の一人が自己都合で退職する。私の上司は以前から彼を低く評価しており、強制的に辞めさせたがっていた。アイツを即時に辞めさせろと息巻く上司。日本の労働法では解雇をするのが難しいという人事。彼のやっていたことを引き継がないと日々の業務が回らないという現実。その上司に反発を抱く部下(感情の振れ幅が大きく、問題児)。それらすべての板挟みにあう私。何とか穏便に彼の退職日を決めて(今思い返しても本当によくやったと思うわ)、昼で会社を出た。SpotifyでNORIKIYOの『断片集』(NORIKIYOはいくつか聴いたがハマり切れない)とPrimitive Art Orchestraの“Artifact”を聴きながら電車に揺られ、Zepp Tokyoへと向かった。

はじめからなかった。並ぶ気は。まず昼まで働いている時点で出遅れている。新大久保のナングロでアチャールを食って、黒ホッピーを飲んで、サマエボウジを食って、15時47分にZepp Tokyoのすぐ上の通路に着いた。見下ろすと長蛇の列。2時間くらいはかかりそう。微妙に暑いし、日替わり写真1-2枚のためにコレに参入するのは馬鹿馬鹿しい。誰かしらの写真は終演後にさほど並ばずに買えるような気がする。メンバーさんを選ばなければ。それを狙う。買えなかったらしょうがない。国際展示場駅のコイン・ロッカーに荷物を預ける。双眼鏡、宮崎と印字されたピンクのTシャツ、財布を入れたウエストポーチ(和製英語)、本。閉じてから気付いた、チケットを忘れた。お金がもったいないが、背に腹は代えられない。一度ロッカーを開けて、お金を払い直そうとすると、数十秒以内であれば追加料金なしでモノの出し入れが出来た。無事にチケットを救済。仕様の親切さに感激した。カフェインと糖質を含まない飲料を出す喫茶店を探してさまよう。見つける。隣の不動産屋?の商談空間も兼ねているようだ。カモミール・シトラス・ティ。Dr. Robert Lustig, “Fat Chance”を読む。グッズ列に並ぶよりも時間を有効に使っているつもりだったが、仮に並んでいたとしても同じ本を読んでいただろうから、結局は変わらなかったかもしれない。

整理番号、呼び出し。最後に入ったとしても大差のなさそうな番号なので、まったくそわそわしない。17時50分、800番。17時54分、1,000番までとファミリー席。18時1分、1340番。18時2分、1420番。この辺の進みは早く、気を抜いているうちに自分の1436番を過ぎていた。開演は18時半。大きな番号の利点として、入場してからの待ち時間が短くて済む。Zepp Tokyoは私にとって、研修生発表会を観るため年に四回くらい訪れる場所。研修生発表会は全席指定。立ち見会場としてのココに来るのはコレが初めてだ。番号が番号だけあって、主要な位置にはあらかた人が埋まっている。後ろの方はまだ通行できるくらいの余裕がある。私は音響設備があるあたりの右側を選んだ。前の一人を挟んで段差があるとは言え、視界には多数の後頭部。想定済みだ。ライブハウス(和製英語)とは言ってもこの広さと距離となると双眼鏡を持参することに戸惑いはない。

正直に言う。私は今日の公演から多くを得られるとは思っていなかった。消化試合…とまでは行かないが、顔を出すことに意義がある現場くらいに思っていた。Zepp Tokyoで1436番。良好な視界を得られる見込みは薄い。それに現場がたくさんあって、渇望感はない。仕事は調整したけど、何が何でもここに来なくてはいけないというほどの気持ちはなかった。四年連続でJuice=Juiceの日に現場にいた。その事実を残すために来ているという気持ちが多少はあった。初めてHello! Projectのコンサートに入ってから8年半。番号や席に関係なくワクワクできるような初心はもう持ち合わせていない。仕方がない。そういうもんだ。中野サンプラザの二階後方から一階を見下ろし、いつかあっち側の世界でコンサートを観てみたいと夢想した時期が私にもあった。実際に一階席や若い整理番号を何度も体験してから同じ純粋な気持ちを保つことができないのは自然なことだ。もちろんJuice=Juiceのコンサートが楽しみじゃないわけがなかったけど、私のモチベーションが高いとは言いがたかった。

開演して数分。観ている場所が後方なんてことは大事なことではなくなっていた。ステージで歌って踊る集団が、フロア後方との距離を吹き飛ばすくらいに魅力的だったからだ。特定の誰かが可愛かったとか、そういう次元の話じゃねえんだ。全員が全員、いつ観ても、どこをどう切り取っても輝いている。Juice=Juiceは増員によって失ったものもあると思う。5人時代と今のどちらがグループとして魅力的かというのは簡単に答えが出せる問いではない(6人時代はなかったものとする)。ソロ・パートの配分などを考えると、℃-uteがそうだったように5人が一つの黄金比な気はする。ただ、8人になったことで5人のときよりも豪華絢爛さが出ているのも確かだと思う。満遍なく観ても一人一人の印象が鮮烈に残る。化けモンの集団。今年のHello! Projectは20周年を記念し、ハロプロ・オールスターズというユニットでシングルを出した。オールスターズとはいっても実際には現役Hello! Projectメンバー全員だ。Juice=Juiceの方が語義通りのハロプロ・オースターズに近い。中でも、今日の私は稲場愛香さんを見てしまう。歌割りは多くないし身長も低いんだけど、他とは違う存在感と技巧がある。彼女はフットボーラーで言うなら仲川輝人選手、中島翔哉選手だ。

セットリストで特に私が高揚したのが“Vivid Midnight”、『禁断少女』、『地団駄ダンス』。“Vivid Midnight”は私の中で2018年のHello! Project楽曲の中で上位に属する。音として耳に心地よい。トラックも、児玉雨子さんのリリックの言葉遊びも、メロディも。『禁断少女』は、誰が聴いてもいい曲と思うような、間違いのないチューンだ。冒頭の金澤朋子さんのソロ・ライン、だけど体温 昨日と何ら変わらない…の箇所が妙に耳に残る。『地団駄ダンス』は(特にリリース当時の彼女たちにとっては)イロモノの曲で当初はファンの間でも賛否があった。今ではすっかりJuice=Juiceの定番曲だ。Juice=Juiceはこの曲を自分たちのものとしたことで表現の幅を広げ、次の段階へと進んだ。集団の分岐点と言える曲だと思う。私は同曲の単独コンサートでの初披露を目撃している。今でも現場で聴けるのは嬉しいし、段原瑠々さん、梁川奈々美さん、稲場愛香さんが新たな彩を加えてくれているのがまた新鮮だ。一つの見どころが、目の前で売り切れ…の直後のメンバーさんの顔芸。

トーク・セグメントでは10月8日(月・祝)に千秋楽を迎えたばかりの『タイムリピート~永遠に君を想う~』の裏話が多く披露された。メンバーたちはまだ舞台の興奮冷めやらぬという感じだった。それだけ彼女たちにとって大切な舞台で、没入していたんだなというのが分かった。観ておいてよかった。

梁川奈々美さん:高木紗友希さんにビンタする場面。どの角度でやったら本当にビンタしているように見えるか、演出家さんと話しながら、高木さんにも協力してもらって研究していた。一度間違えて本当にビンタしてしまった。高木さんの?に付いているマイクに当たってボフって音が出た。ごめんなさいと思いながらも舞台のキャラクターがあるので表に出さないようにしていた。
宮崎由加さん:やなちゃんは悪くないよ。
高木紗友希さん:ビンタされたとき痛かったけど、トークのネタにしたら受けると思った。それなのにやなちゃんが先に話した。

植村あかりさん:劇中のスペシャルドリンクをスペシャルジュースに変えたらいいんじゃないかと誰か(岡村美波さんか山﨑夢羽さんだったか)が言った。演出家さんに相談しようと思ったけど、しないうちに本番になった。変えちゃえ、と自分で判断して実行した。気付いた人、いますか?(ほとんど挙がらない手。)数えられるほど…。舞台中は皆さんのことを見られない。まあ見られるっちゃ見られるんですけど。がっつりは出来ない。台詞を忘れてしまう。コンサートは自由に見られる。(『タイムリピート』は全部の回を観てくれた人もいるんですよ。ここにいますか? と植村さんが挙手を促すが誰も手を挙げなかったのが面白かった。)

宮崎由加さん:『タイムリピート』の観客で靴を脱いでる人がいた。リラックスしてる。いいんですけど。

段原瑠々さん:スペシャルクッキーのくだりのあと、いる? いらないというやり取りを植村さんとひたすらやっていた。植村さんがしつこい。一回、クッキーを落とした。岡村美波ちゃんが拾ってくれた。客席に落ちたら大変なのでヒヤッとした。

宮崎由加さん:私は階段が苦手。歳とかじゃないですよ、元々苦手なんです。『タイムリピート』のステージは階段が結構あって…。
稲場愛香さん:そんなに多かったかな…(首を傾げる)。
宮崎由加さん:階段の上の場所が不安定で、ぐらついた。

宮本佳林さん:まなかん(稲場愛香さん)と抱き合った時にまなかんの右肩に私の頭があった。鼻血が出てまなかんの右肩が血だらけになった。
稲場愛香さん:洗ってもらわないといけませんね、と私は言った。肩だけかと思ったら前身頃もフンッ!ってやったみたいに血まみれになっていた。
宮本佳林さん:劇中でソーマ君(宮本さんの役名)はルナ(稲場さんの役名)のことが好きなので。

・10月10日は…と我々に振って、Juice=Juiceの日!! と言わせる宮本佳林さん。やり直しはしない。出来なかった人は来年も来てください、と笑う。
・衣装替えで戻ってきたときに全員揃っているか1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8と確認する金澤朋子さん。

高木紗友希さん:(肩で風を切ってガニ股で歩いて)おめえら楽しかったか?!!(『タイムリピート』の役柄を再現している。)普段はこんな子じゃないんですけど…(我々、エーイング)。…応援してくれてるんですよね?? 今日は人がいっぱい入ってるよ、満員だよと聞いていた。たくさんの人がいて、力が入った。

本日は足腰の悪い中…と締めの挨拶を始める金澤朋子さん。騒然とする会場全体。どよめきが収まらない。足元の悪い中の言い間違いかと思ったが、雨は降っていなかったので。他のメンバーたち同様、多さに感謝を表しつつ、(こんなにファンがいるなら)普段のライブハウスやホールでの公演もぜんぶ満員じゃないとおかしいのになあ…と毒づく。

稲場愛香さん:皆さんの前でパフォーマンスをするこの1分1秒が幸せ。Juice=Juiceのメンバーさんは私の加入が決まった時点から皆さんが優しい。Juice=Juiceファミリーの皆さんも。恩返しをしなくてはいけないと毎日毎日、考えている。ステージでのパフォーマンスで、そしてお会いする機会があれば気持ちをしっかり伝えられるようにしたい。

宮本佳林さん:このコンサートをタイムリピートしたい。体力もタイムリピートした(元に戻した)上で。

宮本さんの被っている帽子を差して、聖徳太子みたいだね、と高木さん。理解に苦しみますけれども…と首を傾げる宮本さん。

宮崎由加さん:(約2,000人という入場者数に触れて)ブログのコメント数はこの200分の1もいないわけで、サボっている人がそれだけ多いということ。コメント、いつでも待ってます。

・最後の最後の曲振りで言い間違える宮崎由加さん。タイムリピートしよう、とやり直す。乗っかるメンバーたち。
・『この世界は捨てたもんじゃない』 の8つ目の虹的なリリックで稲場愛香さんの肩に腕を回す高木紗友希さん。驚いて感激する稲場さん。その後、涙ぐむ。

終演後、すぐにグッズ売り場へ。日替わり写真はこの時点では宮本佳林さん以外は全員のが残っていた模様。今日はあまり買う機会の少ない段原瑠々さんのを選んだ。今日の彼女はいつにも増して元気が溢れていたし、楽しそうだった。

あまり期待をせずに臨んだが、蓋を開けてみれば2018年の現場でもトップ・クラスだった。今年一番なんじゃないかと思えるくらいの公演が年に何度もあるから、Hello! Projectのファンを止める目途がつかない。コンサートとほぼ同時刻に行われていたJ1リーグのルヴァン杯準決勝では横浜F・マリノスがウーゴ・ヴィエイラ選手の決勝点で鹿島アントラーズを打ち破り、勝利と貴重なアウェー・ゴール2点を手にした。Juice=Juiceとマリノスのおかげで、最高の気分で帰途についた。