2019年3月3日日曜日

つばきファクトリー 5thシングル発売記念ミニライブ&握手会イベント(2019-02-21)

川崎への電車でNick Leesonさんの“Rogue Trader”を読む。巨額の損失を不正に隠し続けて英ベアリングズ銀行を破綻させた元従業員の手記。こんなに面白い本にはなかなか出会えない。はじめの数十ページは興味を持って読めても途中でしんどくなる本は山ほどある。三百ページ前後に渡って読者の興味を持続させるには主題の面白さでは不十分。文章そのものに強い魅力が必要。その点、“Rogue Trader”は最初からずっとスリリングでエンターテイニングだ。『私がベアリングズ銀行をつぶした』という題名で日本語版が出ている。2019年3月3日現在、アマゾンのマーケット・プレイスで安く買えるので、読んでみてほしい。私は同じ賃金労働者としてNick Leesonさんの苦悩が想像出来た。もっとも彼と私では身を置く業界、職種がまったく異なるし、何より労働の苛烈さでは比較にならない。Nick Leesonさんの職務はひたすらストレスフルでハイ・リスク。リターンもハイとはいえ、私はイヤだ。彼のような仕事をしていれば、平日に二日連続でつばきファクトリーを観に行くなんて発想そのものが浮かばないだろう。

私は投資銀行のトレーダーにはなれないが、投資銀行のトレーダーも私のような生活は送れない。激務は私の性に合わない。会社に入って最初の先輩と上司がハード・ワーカーだった。昼休みの時間でも働き続け、毎日22時過ぎまで会社に残っている人たちだった。私は、バリバリ働く彼らに憧れはしなかった。むしろ、こんなに経験豊富なのに残業をしまくるしか術がないのかというのが率直な感想だった。自分はそうなりたくはなかった。長時間の以前に、そもそも私は働きたいと心から思ったことが一度もない。毎日ゆっくり本でも読んでいたいというのが学生の頃から今に至るまで変わらない私の願いだ。無職を一年強やったことがあるが、その間も勤労意欲はわいてこなかった。経済的に持続不可能だったので再び職に就かざるを得なかった。ただ、あの生活をそのまま続けたかったとは言わない。無職は無職でつらい。

料理に塩は欠かせない(もちろん料理にもよる)が、入れすぎるとしょっぱすぎて食えたもんじゃないし、大量に摂取し続けると病気になる。死につながる。それと同じように、世の大多数の人間にとって労働なしで生活は成り立たない。自分が許容できる労働の強度はどの程度なのか? 現実的な落としどころを模索していかなくてはならない。現時点において私は、労働と収入と生活の好ましいバランスを実現できている。未来のことは分からない。

13時16分にクラブチッタ前に到着。誰も並んでいない。前回と同様に貼り出されているQRコードから予約ページに飛んで、購入申し込みを済ませてからメールで送られてくるQRコードをタワー・レコードの係員に見せる。先方がそれをタブレットで読み込むと手続きが完了する。良番来い、と頭の中で唱えながら箱から券を取る。一回目が425番、二回目が263番。うん。平凡。13時22分。うすい整形外科医院。週末に家の中で転んだときに何かに膝をぶつけたようで、歩くだけでも痛い。お昼の時間も休憩なく診察してくれるのはありがたかったが、一時間半くらい待った。“Rogue Trader”を読む。履いていたジーンズのダメージ箇所がちょうど患部だったのでそのまま先生に見せることが出来て便利だった。レントゲンを撮ってもらって、骨は折れておらず単なる打ち身であると分かった。丁寧な先生だった。お医者さんからかしこまりましたと初めて言われた。飲み薬と貼り薬。すぐ近くの薬局。薬が安くなるからお薬手帳を作らないかとしつこく言ってくる。うっせー馬鹿。15時6分、薬を飲んで湿布を貼る。コイン・ロッカーにカバンを預け得るために駅に戻る途中でスーツ姿のクソ野郎が話しかけてくる。あ、すいません。すいません。何ですか。ちょっといいですか? よくないです。何なのか知らないけど(ブログのネタになるから少し付き合ってみようかという考えが頭をよぎった)、私がそんなにカモっぽく見えたのか。職業に貴賤がないはずがない。貴がつばきファクトリー、賤があいつ。

一回目 16時集合 16時半開演

待機する人だかり。2月1日に比べて明らかに少ない。皆さん明日のコンサートに照準を合わせているのだろう。先に呼ばれている若い番号の保持者に有名おまいつが見あたらない。15時56分、アルビ兄さんが姿を見せる。青いスニーカー、黒いパンツ、THE NORTH FACEのhoodie(グレー)、ネックレス。15時59分、50番まで呼ばれる。16時3分、入場開始。16時6分、120番。16時11分、260番。ほとんどオッサン、という声が聞こえたので振り返る。通りすがりの三人組の男性で最も老けたオジサンがニヤニヤしながら発した言葉だった。16時12運、300番。16時17分、フロアで右6列目の位置を確保。もこの辺だった。番号(426番)の割に悪くない場所だ。大方入りきったはずの16時23分の時点で後ろを見ると空間にだいぶゆとりがある。これだけ空いているとあえて後方で観るのも楽しそうだ。

16時27分、アルビ兄さんが登壇。ジャンプの制限について説明。フックのみならずAメロ、Bメロで飛ぶとずっとぴょんぴょん飛ぶことになるので過度なジャンプ。これは会場側の要請ではなく、アップフロント・ワークスが主催するリリース・イベントでのローカル・ルール。自分が責任者。明日から始まるツアーでは(主催者が違うので)また別のルールが適用される。今日は▒▒▒▒(アルビ兄さんへの義理で伏せ字にする)のカメラが入っている。お客様の目線でつばきファクトリーのリリース・イベントを映すという企画。(公開されるまではTwitterで)つぶやかないで。

1.『初恋サンライズ
2.『雪のプラネタリウム』

一曲目で頬を緩めて小野瑞歩さんを見つめていると、俺は何をやっているんだ、コレでいいのか人生という疑問が頭に浮かんで、気持ちが折れそうになった。が、何とか持ち直した。サンライズ・ジャンプの度に左膝が痛む。アイドル・ワン・グランプリといって、くじで引いた台詞を誰が一番アイドルっぽく言えるかのコンテストが行われた。小野さんは、今日は一日、楽しかったね。でも、まだ帰りたくないな、的な台詞を引き当てた。言いながら照れている感じがよかった。意味をどこまで考えて言っているのだろうか。知りたいような、知りたくないような。

3.『ふわり、恋時計
4.『独り占め
5.『表面張力〜Surface Tension〜』

ふわり、恋時計』はゆったりした曲調でありながら緩急のあるダンスが見所。秋山眞緒さんのキレが際立つ。『表面張力〜Surface Tension〜』で絶対に見逃してはいけないのが、二回あるキック。たまたまポジショニングに恵まれ、小野さんの短パンからはみ出る黒いアンスコを確認できた。この一瞬だけで、川崎まで来たのが報われた。現場にはDVD、Blu-ray、YouTubeには絶対に映されない芸術がある。在宅では知ることが出来ない。文化人類学と同様に、この分野ではフィールド・ワークが大事なのである。

6.『三回目のデート神話

アルビ兄さん曰く、シングルのスペシャル盤が好評。初めの予定の倍になった。メンバーさんが現れる前にステージに仁王立ちするエスタシオン。11人。フットボール・チームのようだ。Jリーグの2019年シーズンは開幕間近だ。横浜F・マリノスの初戦は2月23日のガンバ大阪戦。DAZNに登録して観る。楽しみだ。

全員握手。 右から:

小野田紗栞さん
秋山眞緒さん
岸本ゆめのさん
山岸理子さん
小片リサさん
谷本安美さん
新沼希空さん
浅倉樹々さん
小野瑞歩さん

秋山さんには、ふわりのダンス、カッコよかったと申し上げた。それ以外は明日、行きますで統一した。岸本ゆめのさん(たぶん)が服、可愛いとおっしゃってくださった(私はEngineered Garmentsのスウェットシャツを着ていた)。私の発話内容をお聞きになっていたのだろう、新沼さんは私が何か申し上げる前に、明日待ってますとおっしゃってくださった。小野さんは、序盤はいなくて女性エリアの握手の途中から最後に合流した。ちょっとつらそうだった。いつもの彼女からすると五分咲きくらいの笑顔だった。▒▒▒▒の映像収録者も握手に参加していた(握手はせずメンバーさんを撮影していた)。剥がしはアルビ兄さんが担当していた。

前回みつけた良心的な中華料理店、観行雲。四川風豚肉とキャベツの辛みそ炒め(要は回鍋肉)定食。680円。前の方が味がよかった気がする。Spotifyに投下されたMC松島さんの新曲を聴く。パーティの序盤に急に襲ってきた自己嫌悪にも似た疑問で少し気分が落ちていたが『乳ギャング』のリリックがくだらなさすぎて、力が抜けて、どうでもよくなった。『もうみんなでmixiの頃に戻ろう』はそこはかとなくアンニュイで、口ずさまずにはいられないフックのメロディ。この二曲に何だか救われた。

二回目 18時半集合 19時開演

オツムがおかしそうなおまいつのオタクのオジサンが大勢。総勢何人かは数えていないが、一回目よりも待機者が増えている。18時32分、80番。18時35分、160番。18時36分、210番。18時37分、250番。263番だったが、一回目に425番で入った時よりも入場済みの人が多かった。18時39分、6列目の真ん中から少し右寄りの位置につく。私は右端に近い位置を取ることが多いので、こんなに中央に近いのは新鮮な気持ちだ。アルビ兄さんが、二回目も▒▒▒▒の録画者が参加していると明かす。私の5人くらい左にいた。横位置的にはそこがど真ん中だった。今ステージに張ってある青い幕はメジャー・デビューの日にディファ有明でかけた幕。あれから二年経つ。つばきファクトリーはこれだけ成長した。お前の人生は少しでも前進したのか? と誰かが私の脳内でささやいている気がした。お前と同期入社した奴らや友人たちの多くは子育てをしているぞ。いや、そんな声は聞こえない。きっと気のせいだ。

1.『ふわり、恋時計
2.『純情cm(センチメートル)

たしか一回目と同じくアイドル・ワン・グランプリをやったはずだが、内容については私のiPhoneのNotesに何にも残っていないし、何にも覚えていない。

3.『デートの日は二度くらいシャワーして出かけたい
4.『可能性のコンチェルト』
5.『今夜だけ浮かれたかった

二回目は、一回目よりもずっと盛り上がった。単純に人が多かったのもあるし、『今夜だけ浮かれたかった』がキックされたのも大きい。この曲はもう、イントロが始まった瞬間から間違いなくヘッズがぶち上がる曲に育っている。

隣にいた二人組がやたらとノリがよくて、力を振り絞って楽しんでいるのが伝わってきた。私も感化された。今回のシングルをたくさん聴いてくださいねとメンバーさんが言うと、絶対聴きます! 何ならもう聴いてます! と片方が絶叫して、うるせえよともう片方が笑っていた。私も釣られて笑った。その人はこの調子でトーク中にしょっちゅう大声で返事をしていたんだけど、ユーモアがあったし、敬語だったし、イヤな感じがしなかった。それにしても、ココにいる人たちの99%はシングルを購入済みだと思うんだけど、この場で宣伝する意味はあるんだろうか? ショッピング・モールのような一般のお客様が通りがかるような場所だったら分かるけど、ココは閉鎖されたライブハウス(和製英語)だからね。

6.『三回目のデート神話

ステージからの距離は一回目と大差なかったが、今回の方が中央付近だった分、迫力があった。ただ背の高めな紳士が前にいたので、ステージ中央はあまり見えなかった。視界は一回目の方がよかった。ただ周囲の盛り上がりは今回の方がよくて、私も心おきなく声をd出して楽しむことが出来た。横よりも真ん中の近くにいた方がヘッズの熱を感じやすいようだ。

19時38分、ミニ・コンサート終わり。途中からhoodieを脱いだアルビ兄さん。暑いですね、でもそれがいいですね的なことを言っている。BILLABONGのロゴの下にHAWAIIと印字されているTシャツ。19時46分、メンバーさん再登場。

全員握手。右から:

小野瑞歩さん
岸本ゆめのさん
山岸理子さん
小野田紗栞さん
谷本安美さん
新沼希空さん
秋山眞緒さん
浅倉樹々さん
小片リサさん

私は小野さんに、今日たくさん寝てねと申し上げた。ちょっと間を置いてから、うん、寝る! と返してくださった。今日の彼女は本調子ではなさそうだったので、しっかり休んで明日に備えてほしい。私は20時2分に川崎駅のコイン・ロッカーからカバンを取り出して、家に帰った。明日はいよいよつばきファクトリーのメジャー・デビュー二周年を記念した大事なコンサートだ。