2023年12月23日土曜日

緊急開催‼ 2023年ゆいののラスト主催ライブ (2023-12-10)

Q. 明日のゆいののに友達を誘ったんだけど500円くじの内容に引いて難色を示している……初見の人向けにオススメポイントを教えて!
A. あはは(笑)。そりゃそうだろうな。そんなの…あんなの見たら、まず初見さんは頭がクレイジーな人しかこんやん。あれは。え…オススメポイント? ……ライブ楽しいよ。……可愛いよ。可愛いよって言ってやって。想像し得る5倍は可愛いゾって言っといて。

前日の夜にゆいチャンが17LIVEで始めた配信。初めてコメントを送ったら読んでくれた。以前はTiktokを開けば毎日のようにKissBeeさんの誰かしらが配信をしていたが、今ではプラットフォームが17LIVEに移っている。17LIVEになってからは一度も覗いたことがなかった。あわよくばF君を明日のコンサートに誘う言葉をゆいチャンご本人から取りたかった。F君はゆいチャンのご尊顔にご興味を示されていたことがあるので、一度ナマで見てもらいたかった。なのでお誘いした。最初の反応は悪くなかったが、徐々にF君は尻込んでいった。その原因となった500円くじの中身は以下の通りである:

ゆいののはさみビンタ 3本
ケツバット 15本
しらはどり 10本
顔らくがき 5本
ゴム手ふくろビンタ 6本
ドリアンチョコ(お箸で) 5本
強制私物サイン 5本
強制帰宅 1本

50本限定の500円くじ。上記を見て分かるように当たりしか入っていない。私からすると「こんな機会またとない 全開のサード・アイ 遠慮などない」(たぶん我リヤのQさんのリリックだったと思うけど出典が分からん。検索しても出てこん)のだが、まだインターネット上でゆいチャンの画像を何度か見たことがある程度のF君には重すぎたようである。結局、彼が墨田区のWALLOP 3F STUDIOに姿を見せることはなかった。かくいう私にとっても決して敷居は低くなかった。ゆいチャンと面会したのは一度のみ。覚えられているわけではない。そしてKissBee現場はおまいつの率が高い。私はその誰とも知り合いではない。ゆいチャンにとってはあなた誰? お互いが顔見知りのヘッズたちにとってもあいつ誰? という状態で単騎で乗り込み、ケツバット、しらはどり、ビンタなどが当たるくじを購入するのは勇気がいる。この行為はイル。でも人生は一回。今日と同じような催しが再び開かれる保証もない。こんなくだらないことでいちいち奥手になってどうする。あいにくアイドルさんを観に行く程度のことで臆病になる時間はもう私の人生に残されていない。何とかなる。何となくスゴく楽しい時間になる予感がしていた。

開催が発表されたのは当日のわずか6日前だった。たしか予定されていたリリース・パーティがなくなって急に空いたとか、そういう感じだったと思う。12月4日(月)に開催することが、12月5日(火)に詳細がそれぞれ発表され、12月6日(水)20時からチケットが発売された。発売開始と同時に同時にtiget.netにアクセスし購入手続きを進めた。A19番だった。ちょうどいい。近距離でゆいチャンとののかチャンを拝める。かといって最前は望めない。仮に私が最前に行った場合、暗黙の指定席を奪われたおまいつと揉める可能性がゼロではないだろう。その心配がないのはいい。イリーガルな世界にも守るべきルールがある(AKB48、『JJに借りたもの』)。いきなりノコノコと余所様のホーム・グラウンドに現れて芝生を踏み荒らすのは得策ではない。

中央付近の三列目(別に列があるわけではないが)を確保できた。皆さん意外と番号を守っていて、マイメンに目配せして最前に割り込むような紳士は一人もいなかった。私が前に観に来たゆいののの公演だったかな、そのときは「当日券だけど気付いたらココにいた(笑)」「お前なんで当日券で最前なんだよ(笑)」という会話が繰り広げられていた。なぜか今日はそれがなかった。こんな近くでゆいののを鑑賞できるなんて楽しみだなあと心を躍らせる。ステージに現れるゆいチャンとののかチャンを視界に捕らえた瞬間、度肝を抜かれた。い、い、衣装が……! 遙かに上回る想像と期待。いいの……?! 往年の℃-uteさんに匹敵する肌面積。近代麻雀水着祭りであれば水着、譜久村聖さんの写真集で言えば部屋着に分類されるくらいの。ゆいちゃんは曲中、おへそが丸出しになっていた。こんなことは知らされていなかった。望外の喜び。棚からぼた餅。生まれて来てよかったわ(℃-ute、『キャンパスライフ〜生まれて来てよかった』)……。めいめいが秘密クラブというイベントをやっていたけど、こっちの方が本当の意味で秘密クラブだ。むやみに外部の一般世界に発信しすぎてはいけない。そもそも日本のアイドル産業自体がそういう性質を持っている。よく若手アイドルさんが世界で有名になりたい的なことを無邪気に言うけど、西洋社会に本格的にバレると業界全体が存続できなくなる可能性がある。あいつらはそれを分かっていない。

刺激的な衣装がヘッズの心に火をつけたのか、フロアの火力は最初から最大出力だった。ゆいチャン! ゆいチャン! おーれーのゆいチャーン! と何度絶叫したことか。(もちろん、ののかチャンにも叫んだ。)一般的な男性が人生でゆいチャンと叫ぶ量をこの60分で軽く凌駕した。周囲の先輩たちが完璧に仕上がりまくっていて本当に気持ちがいい。自分も含め全員が腹の底から大絶叫している。耳には悪い。でも耳栓をするの野暮だ。コレで多少、耳が悪くなっても悔いはない。Hello! Projectに比べてコールは遙かに難しい。Hello! Projectでは基本的にオイオイ言っていれば八割、九割方は問題ない。しかしKissBee現場ではオイは基本4回で終わる。その後に複雑怪奇なサイバーファイバージャージャー的な叫びが入る。曲によってさまざまなパターンがあって、何回か通えば覚えられるという域を超えている。事前に台本を用意してもらわないととてもじゃないが私には参加できない。ただ、声を出せるところは出した。『クック=ドゥードゥル=ドゥー』ではゆいチャンとののかチャンから、「田んぼのたは太鼓のた!」「カレーは飲み物(パンと手を叩く)ではない!」というコールをしてほしいと事前に説明があった。「田んぼのたは太鼓のた」? 違いますよ? と私は思った。意味は不明だがやってみるとバカバカしくて楽しかった。ジャンプもしまくった。どの曲かは忘れたがフロアで発生した、輪を作って真ん中に一人が入る集団的な動きでは、輪の構成要素になった。最初から最後までずっと熱狂、絶叫、yes yes y'all(リアルスタイラ)状態のフロア。ステージ上の二人の歌なんか誰もまともに聴いちゃいねえ。

コンサートが3F、特典会は2Fで行われた。2Fに移動する途中で、入場特典の「ゆいのののありがたいお言葉しおり」が配布される。コピー用紙をしおりサイズに切ったものに「富士山はデカイ。」と書いてあった。衣装を目にした瞬間から、この衣装のゆいチャンと写真を撮らないわけにはいかない。それもチェキじゃなくてiPhoneで。と思っていた。そして例の500円くじはもしおまいつが買い占めていなければ1枚買おうと。500円くじ1枚と、特典券10枚の束(1枚おまけで付いてくる)JPY10,000を購入。くじを開くと「ゴム手袋ビンタ」と書いてあった。ある紳士が近くのお友達に帰りてーなーと言い、自主的に帰ってください。(くじで強制帰宅を引かなくても)そこの出口から帰れますからと突っ込まれていて可笑しかった。(強制帰宅はおまいつらしき方が当選。ビンタを受けてからその場で帰宅させられていた。やましんさんもヘッズたちも盛り上がっていた。氏が当選してよかった。知り合いの居ない私が引いていたら目も当てられない。)ゆいチャンの列に並ぶ。係員の婦人にビンタの様子を動画(特典券2枚で10秒動画というのがある)に出来ますかと聞いたら出来ませんと言われた。くじのビンタと、写メをオーダー。特典券1枚を婦人に渡す。ビンタと写メどちらを先にするかと聞かれ、えーっと…と一瞬迷っているとビンタを先にしましょうと彼女が決めてくれた。ビンタ時にゆいチャンが着けたのはゴム手袋ではなく、透明のプラスティック手袋だった。眼鏡を外し、ゆいチャンのビンタを受ける。大丈夫? 何かスゴい罪悪感が…なぞと気にしていたが、ぜんぜん痛くなかった。もっと強くやってほしかった。でも嬉しかった。ビンタを受けた後に係員に撮ってもらった写メに映る私は、いい笑顔をしていた。

比較的小さな活動規模のアイドルさんは地下アイドルと括られている。KissBee(ゆいチャンとののかチャンが属する元集団)は一応、そこに属するのだと思う。(最近ではライヴ・アイドルという言い方もするようだ。)一昔前の地下アイドルというと、プレイヤーたちは基本的に皆メジャー・シーンに成り上がりたがっているという前提があったように思う。そして地下アイドルというのはある種の蔑称でもあったように思う。その根底には芸能活動の規模は大きければ大きいほどいい、有名になればなるほどいいという価値観があったのではないか。まだ日本に「お茶の間」が存在し、国民の娯楽の中心がテレヴィジョンで、金・地位・名声がそこに集約されていた頃。国民の何十パーセントもが同じ番組、同じ音楽、同じ芸能人たちに夢中になっていた頃。その構造が(完全にはではないが)崩れ、ニッチな娯楽が乱立しているのが今。(ちなみに無学な人たちはこういう現象についてさえ今は多様性の時代ですからね〜なぞと流行りの言葉を使って分かったような口を聞くが、関係ないから。Diversityという概念がなぜ西洋社会で重視されるようになったのか、アメリカの人種差別の歴史から勉強しろ。人それぞれとか個人の自由と言えば済む話を、いちいち多様性の時代とか言うんじゃねえ。大体、何とかの時代ですからなんてのは理由の説明にもなってねえんだよ。)

WALLOP 3F STUDIOのキャパシティは98人らしい。フロアは満杯にはならず、後ろの方はほどよい空間があった。この大きさの会場で完売までは行かないけど採算が(おそらく)成り立つくらいにはチケットと特典券が売れる。この規模だからこそ成り立つ自由さ、大らかさ、過激さ、楽しさ、異常さ(異常なオタク、異常なアイドルさんの共犯関係)がある。それは強く実感した。大きければ大きいほど、有名であれば有名であるほど、ファンが多ければ多いほどいいということではない。活動の規模によって出来ること、出来ないことがある。大は小を兼ねるわけではない。Hello! Projectではこんな急にコンサートが決まるフットワークの軽さは望めないし、100人規模の会場でも売り切れの心配なく近距離でメンバーさんを観ることは出来ないし、メンバーさんにビンタをしてもらうことも出来ない。一方で、KissBeeではHello! Projectのように数千人規模の会場である程度のお金をかけた盛大なコンサートは出来ない。コンサートの円盤も発売されない。それぞれの良さがある。一つのモノサシで、どちらがどちらに比べ劣っているという比較は出来ない。