2017年8月26日土曜日

HELLO! GATHERING (2017-08-20)

今日は私が普段ブログの記事をどうやって書いているかについて少しお話をしましょう。公演の後に、iPhoneのNotesに印象に残ったことや思ったことを書いておきます。箇条書きのような、殴り書きのような、断片的な記録です。まとまりのある文章ではなく、センテンス単位でも雑です。家に帰ってからふと思い出したことも追記していきます。公演が始まる前にも、たとえばグッズ列がどれくらいの人数だったとか、書くこともあります。何かが起きたときはなるべく時間も記録します。遠征時の現場日記は旅行記でもあるので、公演そのもの以外に関するところを通常よりも細かく記録するようにしています。走り書きが一通り出来上がったら、紙に印刷します。ここは絶対に書きたいなと思う箇所にペン(Acroballの0.5がお気に入りです)で線を引いたり、丸で囲んだりします。そうすると、その記事でだいたい何を書くべきかが見えてきます。

何を書くべきかの検討がついたら、次はどう書くかを考えます。どういう文体(口調、トーン)にするのか? たとえば怒っているんだったら一人称を「俺」にして(日本語の場合は一人称の設定が文体に大きく影響します)友人にでも愚痴るような感じで書くとしっくりくるかもしれません。あえて敬語で書くという手もありますね。感情を押し殺して丁寧に話した方がかえって怒りが伝わるかもしれません。あと、文体は書きたい内容だけでなく、書いているときの気分と合っていることもまた重要です。そうじゃないと筆が乗りません。

どういう順番で書くのか? 時系列に沿うのが素直な書き方です。利点は、起きたことを細かく記録しやすいことです。後で読み返したときに自分にとってどういう一日だったかが分かりやすくなります。始点をどこにするかはそのときの判断です。朝、目が覚めたときでもいいですし、グッズ列に並んでからでもいいですし、コンサートが始まった瞬間でもいいです。特に旅の記録でもある遠征日記にはこのやり方は合っています。もう一つの方法は、これは絶対に言っておきたいということから書くということです。たとえばその日を振り返ってコンサート終演後の高速握手で交わした言葉がいちばん印象に残ったのであれば、いきなり握手の描写から始めます。この方法だと記事が(自分にとって)重要なこと+その他というつくりになります。利点としては、自分にとって何が印象的だったか、重要だったかを中心に書けるということです。何をやったか、何が起きたかよりも、何が自分の頭に残ったか。その分、その他の部分をある程度は切り捨てないと文章としては座りが悪くなります。他を差し置いてでも書いておくべき印象的な場面や出来事がある場合には、このやり方の採用を検討するべきです。

でも正解は一つではありません。大事なことをあえて終盤にちらっと書くという考え方もあります。自分にとって大事だからといって、読み手に分かりやすく伝えるべきだとは限りません。自分の中だけにとどめておきたいとまでは言わなくとも、あまり気付かれやすいように書きたくない、最後までじっくり読んでくれる特定少数の人たちとだけこっそり共有したいこともあるかもしれません。昔、副島隆彦さんの本を読んでいたら、本当に言いたいことはあまり目に付かないようにあえて本の終盤に書くんだということが書いてあって、そういう発想があるんだと驚いたのを今でも覚えています。

この二年半で私は100本以上の記事を書いてきました。内容と文体はいくつかの類型に分けられると思いますが、はじめからテンプレートに当てはめているわけではありません。何をどう書くかは、毎回、一から考えています。たとえ同じツアーの公演でも同じコンサート経験は二度とない以上、こうするのは当然です。

記事を書き始めるのはほとんどの場合、現場があった何日か後です。労働に時間を取られて否応なしにそうなっているのですが、コンサートから数日が経過したタイミングは意外と書きやすい。脳が記憶を整頓するからだと思います。一方で、その整頓が悪い方向に働くリスクもあります。そのときに味わった生の感情が、時間を経て歪曲されてしまう。“Stumbling on Happiness”にも書いてありましたが、人間の脳みそはそうできているらしいのです。当時の感情は極力、時間を置かずにiPhoneのNotesもしくはTwitterに書いて、なるべく新鮮なまま保存するようにしています。

書くことについて、書きたいことは他にも色々とあります。今日はこの辺で切り上げて、別の機会に譲ります。これだけ説明しておいてなんですが、この記事は上記で説明したやり方を採用していません。何も参照せずに、その場で思いつくがままに書き連ねました。先ほど、書きたいことをあらかじめ決めておくんだと言いましたが、フリースタイルの要素もあった方が文章がスウィングします。事前にガチガチに展開を決めてしまうよりは大枠を決める程度にした方が、頭に浮かんでくる即興のひらめきを生かすことができます。論文のように主張を客観的に書きたい場合は別ですけどね。

8月20日のジュルネ、HELLO! GATHERINGを観させてもらいました。これは本題のようで本題ではありません。なぜなら、書きたいことがほとんどないからです。書けることはいくつかあるんです。でもそれは、是非とも書き残しておきたいこととは違う。最近の現場はあまりにも充実していました。極めつけは8月19日でした。稀有な経験をさせてもらった上に12時間以上も中野に滞在して、疲れました。次の日へのモチベーションを失いました。8月20日のHELLO! GATHERINGは、私にとっては消化試合になってしまいました。消化試合と言うよりは、消化できなかったのです。気持ちも乗らなかったし、少し頭が痛かった。(私はただ観ているだけで疲れるのだから、出演している方は鉄人ですよね。この土日で私が入ったのは3公演ですが、開催されたのは5公演ですよ。)ピンクの宮崎Tシャツを持って行きましたが、カバンに入れたまま着用しませんでした。戦闘態勢になれなくて。18列からひたすら双眼鏡でステージ上を観察していました。もちろん、レンズの先にはいつものように素敵な光景が広がっていました。Hello! Projectのメンバーさんは全員が輝いていました。8月20日は、私がその輝きを受け止め切れませんでした。これで私にとっての2017年、夏ハロコンは幕を閉じました。

おまけ(8月20日、iPhoneのNotes)

1303 グッズ列

1319 小野小片工藤売り切れ

窓口二つ

Juice=Juiceの現場でよく見かけたかなともオタが小野瑞歩のTシャツを着ている
そう言えば最近Juice=Juiceの現場で見ないな…

チョイチャンでやなみんを愛おしそうに見守る宮崎由加

双眼鏡で同時に宮崎由加と小野瑞歩を観られる贅沢さ