2017年8月17日木曜日

Seven Horizon (2017-08-12)

生まれて初めて、カプセルの中で目を覚ました。これまでの旅でも楽天トラベルで宿を検索したらカプセルが出てくることはあったが、避けていた。画像を見るかぎりあんなに狭い空間でちゃんと休めるのか不安だったし、鍵がかけられないというのもおっかなかった。今回の場合は、お盆の時期だからだと思うんだけど、お手頃な宿が皆無だった。予約したのが二ヶ月前にも関わらず、他にまともな候補が出てこなかった。このカプセルにしたって二泊で13,000円もする。普段はもっと安いでしょう、カプセルなんて。よく知らないけど。でもね、よかった。ナイン・アワーズが特別なのかもしれないが、満足できる宿泊体験だった。快適さを作り出すための合理的で無駄のないつくりに感心した。シャワーが広いのがいい。周りのイビキや寝息が聞こえてくるのが欠点だが、夏の虫が鳴いていると思えば風流なものである。

無類のモーニング好きで知られる私は喫茶店を求めて近くの商店街を歩いたが、面白い店はなさそうだった。マクドナルド、ロッテリア、サンマルク・カフェ、ドトール、イタリアン・トマトといった全国的に展開している店ばかり。9時の開店直後、イタリアン・トマトに入った。ピザ・パン280円とアイス・コーヒー220円。店に置いてある調味料がハバネロ・ソースではなくタバスコだった。分かってねえな。でもこういうちょっとした違いに気付くのが地方都市を訪れる楽しみの一つである。ピザ・パンにタバスコをかけまくったら口に入れる前にむせた。常備してある調味料は違ったが、従業員たちの雰囲気は埼玉のイタリアン・トマトと似ていた。埼玉でも宮城でも彼女たち(男性の店員はほとんど見たことがない)は声を張らないし、どこかムスッとしている。我々をあんまり歓迎している感じがしない。でも似た価格帯の店と比べて味は悪くないし、チップを渡さない店ではむしろこれくらいが世界標準だから問題ないのである。私が一人目の客だったが、時間が経過しても客はさほど増えず、落ち着いた雰囲気だった。8月6日のHello! Projectコンサートのブログを書く。10時55分に投稿。昨日、新宿から仙台へのバスでも書いていた。ちゃんとした机で書いた方がはかどる。

今日の会場である仙台Rensaは、同じ商店街の中にある。イタリアン・トマトから歩いて数分。今日の開演は昼が14時、夜が17時半なのだが、私が喫茶店を探していた9時前から会場付近にたむろしている紳士たちがいた。勘弁してくれ。Rensaは建物の7階にある。グッズ売場は地下に作る様子。見た感じ、それほど並んでいなさそう。また時間になったら来ればいいやとタカをくくって、建物を出た。昼飯をどこで食うかの目星をつけておきたい。

1階に今日の公演内容が印字された立て看板があった。


OPEN 13:00
START 13:30
END 14:00


OPEN 16:30
START 17:00
END 17:30

この表記だとコンサートが30分で終わるみたいじゃないか。

有名な「太助」をはじめとする牛タン店のいくつかに行列が出来ていた。牛タンに関しては昨晩「司 西口名掛丁店」でいただいて大満足している。今日の昼は別のもんでいいや。私は宮城出身の友人と同僚一人ずつから聞いたことがあるのだが、牛タンって地元の人はほとんど食べないらしい。地元民が食べるのは魚だそうだ。だからこの滞在で一度は寿司を食ってみたい。12時にグッズ販売所に戻ってくると、思いの外たくさんの人々が並んでいた。階段を上がる形で列が出来ていたのだが、3階か4階くらいまで並んでいた。私がさっきちゃんと見られていなかった。この感じだと一時間くらいかかりそうなので、一旦あきらめて外に出た。飯だ、飯。「富貴寿司(ふうきずし)」。カウンター。目の前で職人さんが握ってくれる。ランチにぎり1,500円。期待していた以上においしかった。醤油が何か普通じゃなかった。徳島すだちサワー650円というのに惹かれたが、我慢した。お酒は後でコンビニで買おう。そこで数百円をちまちまと浮かせて、一枚500円の写真を何枚も買うんだ。会計のため席を立つ際に「おいしかったです」と言うと板前さんはこちらを見て「よかったです」と言ってくれた。さながら公演後の高速握手会である。

12時44分に仙台Rensaのあるビルヂングに戻ると、グッズ列は1階と2階の間の踊り場まで縮まっていた。3分後には地上に下り、その3分後には買い終えることができた。宮崎由加さん、段原瑠々さん、金澤朋子さんの日替わり。最近は宮崎さんのは必ず買うとして、他に誰のを買うかは書き込みを見て決めることにしている(いつもグッズ売場にサムネイル的な縮小版が張り出されているので雰囲気はつかめる)。高木紗友希さんの書き込みが意外とおとなしく、絵は描いていなかった。宮本佳林さんの日替わりも売っていたけど、いつの分まで作ってあるんだろう。私が買った時点では誰の日替わりも売り切れていなかった。最も短い待ち時間でグッズを買えるのが、最初の山が落ち着いたときだ。それよりも後になると今度は売り切れが出始める。偶然ではあるが飯を食って戻ってきたら最高のタイミングだった。遠征時の日替わりはなるべく買い逃したくない。旅の記念なので。無事に入手できてよかった。13時14分、セブン・イレブン。サントリー特選白角水割250ml。二口で飲み干して店内のゴミ箱に缶を捨てる。ほぼ水。

一般論として、開場時間の15分くらい前には入場場所の付近にいた方がいい。事前に列を作るのが通例だから。のんびり時間通りに来ても人が詰まっていて前に進めず番号が呼ばれても入れない危険がある。席が決まっていないライブハウス(和製英語)公演だと、ただチケットを持っているだけでは自分の番号通りのタイミングで入れるとは限らない。正式な開場時間よりも前に現場に顔を出し、係員の案内や来場者たちによる自主的な並び具合に注意を払っておく必要がある。今日は昼が13時半開場。準備のいい会場で、あらかじめ階段に番号のブロックが指定されていて、待機できるようになっていた。7階(仙台Rensaの入り口手前)から1番、6階から100番、5階から200番、という風に。4階と5階の間に給水ポイントが設置されていた。13時39分に180番くらいまで呼び出された。麦茶。紙コップ。今日の誘導案内者たちはKYODO TOHOKU。白地にオレンジでBEAMSと印字されたTシャツ。入り口で番号を一人ずつ呼び出して、厳密に順番通りに入場させている。私は201番だった。200番が入り終えてからチケットを見せて通ろうとしても、まだ呼んでいないと言って止められた。あんまりかっちりしていてむっとしたくらいだ。

201番はそんなに悪くないと思っていた。インターネットで検索したところ仙台Rensaの収容人数は700人。まあこういうのは観客が奴隷でフロアが奴隷船であればという仮定に基づいた数字なので、額面通りに受け取っては行けない。実際のところはおそらく400人から500人くらいは入るんだろう。となると真ん中かその少し前くらいには行けるということだ。よくはないだろうけど、悲観的になる番号でもない。ところが実際に入ってみると、既に8割方は埋まっている感触だった。周囲の紳士たちも困惑していた。「おまえ何番? その番号でここかよ。スタッフが仕事してねえよ」と、不満の声が聞こえてきた。KYODO TOHOKUの兄ちゃんたちはまだ入場案内に駆り出されているようで、まだ誰もこっちを仕切っていない。でも開演前には前に詰めろという声が後ろから何度か聞こえてきた。数メートル前には行けた。それでちょうど真ん中くらいには行けた。私が立ったのは右端。横は黒いカーテンがあるだけで、壁にはなっていなかった。近くによく拝見する紳士。先週末のハロコンでも見たし、井上玲音さんのバースデー・イベントでも見た。私も誰かから「こいつまたいるのか」と思われているのだろうか…。

Juice=Juiceメンバーズの上半身は不自由なく見える、下半身はほぼ見えないけどお立ち台に上がったときには見える、それくらいの見え方だった。右端だったのでステージの右端にメンバーさんが来たときは比較的よく見えた。番号があんまりよくないときは、満遍なく見えにくい中央付近に行くよりは、端に行って部分的にでも見えやすい位置を探した方がいい。

コンサートの開始から、欠場中の宮本佳林さんを除く6名がステージに立っていた。このツアーは7月13日に名古屋で始まった。初日はオリジナル・メンバーズ5人のみの出場だった。7月17日の京都公演から段原瑠々さんと梁川奈々美さんも参加するようになった。とはいえお二人の出場ははじめは部分的だった。私はこれまでのところ7月17日に京都7月26日に吉祥寺で観させてもらったが、段原さんと梁川さんがステージにいたのは全体の3-4割程度だった。Twitterで見た情報によると7月30日の小樽での公演からお二人が全編を通して出場するようになったらしい。思えば私がこれまでに入らせてもらった公演では7月17日(京都)は段原さんと梁川さんがJuice=Juiceの単独コンサートに初参加、7月26日(吉祥寺)は宮本佳林さんが欠場、今日(8月12日)は段原さんと梁川さんがフル出場(宮本さんは引き続き出演せず)と、毎度、出演者に関する何かしらの変化がある。

新メンバーズは初めからステージにいたが、4曲を終えてから彼女らが自己紹介をするという流れはこれまでと変わらなかった。
・段原さんは「仙台のおいしいものをたくさん食べて元気いっぱいです」と言ってから間を空けて「じゃけんね」という必殺技を出し、頑張ります的なことを言った。
・梁川さんは「この会場は私にとって思い出がある(観客の一部から『あー』という声。後から調べて分かったけど、嗣永桃子さんが引退を発表した場所なんだね)。牛タンのように旨味の詰まったパフォーマンスをしたい」と意気込みを語った。
・二人の所信表明の後、宮崎由加さんが「Juice=Juiceがこの会場に来るのは初めて。いつもはもう片方(Darwin、とメンバーの誰か)だった」ということを言ってから「それでは最初の曲…」と進めようとしたが間違いに気付いて「それでは次の曲」と仕切り直した。

・『チクタク 私の旬』で梁川さんがソロ・パートで口を動かしているのに歌声がスピーカーから出てこない。戸惑って、助けを求めるような顔でメンバーを見ていた。どうやら単にマイクの電源が切れていたらしく、次からは音が出ていた。
・『愛のダイビング』で宮崎由加さんが、冒頭の宮本佳林さんのパートで歌詞を飛ばしていた。「恋に落ちたそれはまるでりんごのよう」の「それはまるで」の部分が抜けていた。「それはまるで」だよゆかにゃ、夜公演では飛ばさないでね、と私は脳内で宮崎さんに伝えていた。

・段原さんといえば歌だが、ダンスも力強い。『大人の事情』で他のメンバーズと並んで踊っているとき、同じ振り付けなのに段原さんの動きがひときわ激しく見えた。長い手足。キレのある動き。ダイナミック。
・段原さんの歌唱表現力に疑いの余地はないが、声量に伸びる余地がある。そこが高木紗友希さんとの差。もう一段階、突き抜けてほしい。もっと私の心の中までガツンと来てほしい。段原さんが高木さんと双璧を為す存在になれば、Juice=Juiceは最強になる。

・高木紗友希さんがMVP。私は別に出演者たちに点数をつけながらコンサートを観ているわけではないが、たまに特定の子が際だってよく見えることがある。この公演で高木さんはいちばん楽しそうだったし、いちばん輝いていた。私が一番に支持している宮崎由加さんと同じくらい、いやそれ以上に注目してしまうほどだった。

・金澤朋子さん、美人。いつも美人であられるのだが、美人だなと改めて思う。しかもいい笑顔。

高木紗友希さんが、梁川奈々美さんに関するエピソードを切り出した。
・メンバー同士のLINEで、梁川さんがポケモンのスタンプを使ってくる(彼女は無類のポケモン好きで知られている)。でもそのスタンプのポケモンが分からない。最近のポケモンは知らない。以前のはやっていたから分かるけど。(隣にいた宮崎さんに同意を求めるが微妙な反応。昔もやってないから分からないという宮崎さん。)それを言うと、梁川さんが「ジェネレーション・ギャップですね」と目をキラキラさせて言ってきたという。(あまりに無邪気に言ってくるから)「うん、そうだね」となった。
・梁川さんはJuice=Juiceのメンバー一人一人に似ているポケモンを言える。植村あかりさんは○○(私が忘れた)。「るーちゃん(段原瑠々さん)はコロンみたいな」と植村さん。「ロコンです」と梁川さん。笑う植村さん。高木さん曰く、「新幹線で前の席にいたあーりー(植村さん)が『ねえ紗友希に似てない?』と言って猿のポケモンを見せてきた。ポケモンになってまで猿のキャラを守らなきゃいけないのかと。朋子だったら『そうだそうだー猿ー』とか言ってくるけどやなちゃん(梁川さん)は『そんなことないですよ』と気を遣ってくる」。梁川さんは同僚から猿のポケモンはないのかと聞かれても分からないと答えた。「本当は知っているのに」(高木さん)。「その辺は大人ですからね」(宮崎さん)

最後のコメント。
・段原瑠々さんは何度も詰まりながら「コンサートの前に嫌なことがあっても、コンサートで楽しくなれる」「次の公演も頑張ります!」と健気に締めくくった。
・梁川奈々美さんは「牛タンのような旨味を出したいと言いましたが、どうでしたか?」と声を聞く。そして「ジュースのようにフレッシュに、牛タンのようにジューシーに」やっていくという旨の発言を残した。コンサート冒頭のコメントを引っ張り出して回収しているし、私たちからの反応もしっかり引き出している。印象的なフレーズも用意している。コンサートのべしゃりってのはこうやるんだっていう型のようだ。
・コメントを発する際の段原さんの初々しさと、梁川さんの小憎たらしいまでのこなれた態度が対照的である。歌とダンスの表現力では段原さんが上回っているが、しゃべりになると段原さんが年相応で、梁川さんが異常に成熟している感じ。梁川さんはダンス、歌、体力と、トーク以外の面では全般的にJuice=Juiceの水準にはまだ追いついていない。
・高木紗友希さんは「昨日のHello! Projectコンサートで、つばきファクトリーがとてもよかった。私もつばきファクトリーを見習って、楽しくできたんじゃないかと思います」というようなことを言っていた。そんな心意気でやっていたというのを知り、私はびっくりした。今日は一段と楽しそうだなと思っていた。
・植村あかりさんは「牛タンスモーク、おいしいですよね。最近は食べていなかったんですけど、自分へのご褒美に買って食べたいと思います。仙台の牛タンはおいしい。牛タンの焼いたやつは食べた」という旨の談話を残した。
・金澤朋子さんは「今日は楽しかったです。ありがとうございました」的な感じで、他のメンバーズに比べてあっさりしていた。(今思えば、具合が悪くておそらくこれで精一杯だったのだ。後述するが夜公演で金澤さんは体調不良のため椅子に座っての出場だった。)
・宮崎由加さんは「仙台はおいしいものがたくさんある。昨日も今日もいただいた。宮本佳林ちゃんもいる7人でまたここに来たい。もっと上を目指します」ということを言った。

フロアの雰囲気は、平和だった。そんなに声が出ていない。京都では驚くほどに声が響き渡っていた『明日やろうはバカやろう』も今日は周りで言っている人が少ない。全体的に、まったり観ている感じ。これはこれで悪くない。

終演後の高速握手では特に言うことが思い浮かばず、「楽しかったです」で通した。高木さんが私がかけていたファッショナブルなメガネをご覧になってニヤニヤしながら「メガネだね!」と言ってくださった。宮崎由加さんは「あー、ありがとう!」と言ってくださった。15時53分くらい、退場。後から思ったが高木さんに「俺もつばき好き」とでも言えばよかったか。

終演後に1階の立て看板を覗いたら、


OPEN 13:30
START 14:00


OPEN 17:00
START 17:30

に修正されていた。

夜公演は17時開場、17時半開演だったが、16時10分くらいから階段に座って待った。どこかに行くには中途半端な時間の空き方だったし、雨が強くなっていたし、夜は番号がいいので『念には念』で早めに待機場所に陣取っておきたかった。27番ですよ。この番号は埼玉から仙台まで遠出するモチベーションになった。アップ・フロントさんに感謝。開場時間が近づくにつれ徐々に人が増えていき、座れなくなっていた。密集状態になった。1階分の踊り場に100人だから、結構なもんだよね。しかも人が通れるように片側は空けないといけなかったし。このままオタクに押し潰されて圧死したら最悪の死に方だ。近くで暑苦しい風体の紳士が暑い暑いと言っていた。昼公演を終えたオタクの熱で暑くなっているんだという冗談を誰かが飛ばしていた。それもあながち間違ってはいない。一日に二公演あるときは一回目がウォーミング・アップ的なところがあるのは否定できない。二回目の方が熱くなりやすい。開場前、チケットのミシン目をあらかじめ折っておけと、KYODO TOHOKUの兄ちゃんが何度も言っていた。

入場、ギリギリ3列目。右のお立ち台付近。私の一つ前の番号(26番)までは2列目にいたので、惜しかった。前に詰めろという声は聞こえない。昼より空いているのかな。宮崎由加さんの影アナが面白かった。やたらと甘噛み。我々から笑いが起きる。宮崎さん、途中からわざとらしくハキハキした言い方に変える。北朝鮮のアナウンサーまではいかないけど、声を張り上げている。それでも終盤に噛む。和む。そしてここで宮本佳林さんの欠場に加え、金澤朋子さんが体調不良のため椅子に座っての出場になる旨が発表された。

序盤の自己紹介で、段原瑠々さんは「この公演の前にフルーツを食べた。元気いっぱい」、梁川奈々美さんは「ついに念願のずんだシェイクをいただいた。ずんだパワーで頑張りたい」と、共にコンサートの前に摂取した飲食物に絡めて夜公演への意気込みを述べた。

3列目だったが、公演が進むにつれ前にいた植村あかりさんのファン(推定50代の男性)と金澤朋子さんのファン(推定60代の男性)がいい感じにずれて、実質2列目と言ってよい視界を得ることができた。前方で観させてもらうJuice=Juiceのコンサートは、至極。何というスペシャルなスペクタクル。毎回、見とれてしまう。

・梁川さんが人一倍、発汗していた。首、顔。

・金澤さんは公演を通して左端の椅子に座っていた。つらそう。声量は抑え気味。無理して笑顔を作っている感じ。でもそれが結果として優しい表情に見えた。本人はつらいんだろうが、柔らかい、包み込むような雰囲気があった。

金澤朋子さんに関するエピソードを披露する高木紗友希さん(金澤さんはステージから捌けていた)。エスカレーターに乗っているときに「紗友希の顔を見てるとさ、まんじゅうを食べたくなるんだよね」と言われたという。「聞いてください!」と梁川さんが割り込む。「私の顔を見てるとおにぎりが食べたくなると言われました」と同様の被害を報告する。「やなみんが『おにぎりに似てますか…?』と聞いたら、『白(顔)と黒(髪)だから』とかわけの分からないことを言っていた。そんなこと言うなら初めから言わなきゃいいのに」と高木さん。宮崎さんと高木さんが「朋子は思ったことを口に出してしまうんです」と言ってこの話を締めた。

・『愛のダイビング』の冒頭、歌い出す宮崎由加さんに「それはまるで」だからね…と昼公演の失敗を繰り返さないよう祈りながら見守っていたが、見事に歌いきったので私は脳内でガッツ・ポーズ。
・同曲の間奏ダンスでは「かーりん! かーりん!(宮本さん)」「さーゆき! さーゆき!(高木さん)」「ゆーかにゃ! ゆーかにゃ!(宮崎さん)」「とーもこ! とーもこ!(金澤さん)」「あーりー! あーりー!(植村さん)」の順番でメンバーさんたちが踊り、我々がチャントを被せる。「かーりん! かーりん!(宮本さん)」のところは、宮本さんの欠場中でも変わっていない。その箇所は段原さんと梁川さんの二人で踊っている。お二人は最後の植村さんのところでも再び登場する。宮本さんが戻ってきたらどうするのだろうか?
・二人目の高木さんがクラウチング・スタートのような体勢を取ったまま、立ち上がるタイミングを逸して出遅れていた。
・『チクタク 私の旬』は小刻みにソロ・パートが移り変わっていく。その度に、歌っているメンバーの方を同僚たちが向く。金澤さんが歌っているところで彼女が本来いる場所に向くけど「あれ? いない!」という感じになって、左端の椅子に座る金澤さんに身体の向きを変え直すのが可笑しかった。メンバーたちも笑っていた。

・宮本佳林さんが欠場、金澤朋子さんが体調不良となると、高木紗友希さんの存在感が際立つ。昼にも増して、圧倒的に目立った。昼に続いて夜も彼女がMVPだ。私はいつも終演後の高速握手で言うことが思いつかず困るのだが、今日は高木さんによかったと伝えたい。ステージで奮闘する彼女を観ながら、私はそう強く思った。こんなに握手で何かを伝えたいと強く思ったのは初めてである。今日の彼女はそれだけ私の心を打った。
・高木さんに限らず、Juice=Juice全員から伝わってくるものがあるコンサートだった。宮本さんがいないことと金澤さんが椅子に座っていることによって、ステージ・パフォーマンスの完成度は本来のJuice=Juiceに比べて落ちている。粗が出ている。でも、穴を埋めようとするJuice=Juiceのチームワークを感じたし、苦しい状況を彼女たちが楽しんで乗り越えようとしているのがよく分かった。いつもの完璧なグループによる完璧なコンサートとは違う意味で印象に残る公演だった。

・最後のコメントで段原さんが「私は金澤朋子さんの歌声が好きなので、一緒のステージで歌声を聴けてよかった」という旨のことを言った。椅子に座った金澤さんは「ありがとうございます」と頭を下げた。後に高木紗友希さんが「金澤朋子さんの歌が好きでぇ~」と声色を作って真似していた。
・植村さんは「新メンバーに感謝したい。二人がいなければステージにたつのが三人になるところだった」という旨のことを言った。他のオリジナル・メンバーズはそうだよねえという感じでしみじみ頷いていた。
・「特別な公演に、結果としてなってしまった」という宮崎さん。金澤さんの不在を埋めるべく、公演中にお立ち台に上るタイミングを適宜、自分で判断していたという新メンバー二人を褒めて、出来る後輩を持ったなと思いますと、満足げに語った。

段原瑠々さんと梁川奈々美さんが、この短期間でJuice=Juiceにブレンド・インしている。5人+2人という感じではなくなってきている。二人が完全に融合して、なおかつ宮本佳林さんも戻ってきたら、物凄いグループになる。

終演するや否や私の近くにいた宮崎由加さんのファンが「やべえ俺やなみん推すわ」と言っていて、私は笑った。

終演後の高速握手では、段原さんに「ダンスも格好いいね!」と申し上げた。「ありがとうございます」と嬉しそうな表情を浮かべてくださった。梁川さんには「汗っかき?」と聞いた。うまく聞き取れなかったようだが、はいと頷いていた。植村さんとは言葉を交わす時間がなかったが、笑顔をくださった。金澤さん、てっきり握手会には不参加かと思ったが椅子に座って参加されていた。「無理しないでね」と伝え、「ありがとうございます」と返してくださった。「今日、高木さんが一番よかった」と高木さんに言うと「本当? ありがとう」と返してくださった。高木さんに言葉をかけたことで最後の宮崎さんは本当に一瞬になってしまったが「あー、ありがとう!」という感じのことを言ってくださったと記憶している。5人いて3人とは意志疎通を図れた。接触の技量に難がある私としては画期的である。

終演後、私は付近のストリートをさまよい、迷った挙げ句、「福光(ふっこう)」という店に入った。炭焼きのはらみ(豚、鶏、牛)を専門とする飲み屋。半信半疑で入ったけど、大当たりだった。一人だけの“Fiesta! Fiesta!”が始まった。お通し、枝豆、ニラキャベツ、豚ハラミ、鶏ハラミ。大冒険ハイボール520円ってのが、イイ…。メニューの説明によると冒険ハイボール(焼酎純35度+ウイスキー+炭酸)460円の、お酒量大盛。「富士山麓樽熟ウイスキー50度使用」だそうだ。でっかいジョッキで来た。量があるしアルコホールもクるし一杯で満足できる。というか二杯飲んだら宿に帰れなかっただろう。マジで一杯でかなり酔った(20時7分)。酔った(20時10分)。気持ちよすぎる(20時13分)。最高だ(20時14分)。すげえ酔った(20時15分)。3,208円を払って店を出る(20時16分)。本気で酔った(20時21分)。食いモンも全部うまかった。一杯でこんなに酔うとかあり得るのか(21時6分)。またあの店で飲みたい。