2019年9月11日水曜日

ワタシノアカシ (2019-09-07)

橘玲さんの『「読まなくてもいい本」の読書案内』を何ページか読むが、眠くなる。飛行機に乗るとうとうとしがちだ。気圧の変化が関係しているのかな? 今日に関しては睡眠時間が短めだったというのも重なった。Fitbit Charge2によると5時間17分。昨夜ジムで運動をしたのは寝坊をしなくて済んだ一因だと思う。苦しいくらいの負荷がかかる運動をした翌日は目覚めがよい気がする。徒歩と大差のないスロー・ジョギングでは運動習慣として不十分なのだと最近、私は気付いた。John J. RateyさんとEric Hagermanさんの“Spark: The Revolutionary New Science of Exercise and the Brain”によると有酸素運動は脳によいが、一定以上の頻度と強度で行うことが必要。強度は心拍数で計る。目安は、最大心拍数(220から年齢を引いた数値)の55-65%が低。65-75%が中。75-90%が高。月曜日に体験したジムでは常に心拍数計を付けさせられる。昨日は時速8.0kmで15分走ってから75分間フットサルのプログラムに参加した。のつもりだったが、体力の限界を迎えフットサルは60分足らずでリタイアした。いかにも“フットサル”という感じの性格の悪い顔立ちで職業不詳なチリチリ茶髪の青年が指示を出してきたり軽く挑発してきたりした。気に留めないようにして受け流した。相手は知能の低いクソガキ、私はインテリジェントな大人なので。彼を見た瞬間に分かった。フットサル大会で初心者のカテゴリーに経験者の集団で参加して無双するタイプのくそつまらないクズ。私とは生物的に相容れない。知らない人と挨拶を交わして打ち解けることも出来ないのに自分は明るい側の人間だと思っている、典型的な内弁慶ジャップ。日本の教育の失敗例。まず坊主にした上で、人間が耐えられるギリギリの苛烈な労働で根性とマナーを叩き直して来い。来いっていうか、私がもう行かないけど。

定刻通り11時35分頃に伊丹空港。今日の11時からNepenthesさんの公式オンライン・ストアで販売開始しているEngineered Garmentsさん×New Balanceさんのスニーカーが既に売り切れている。安心した。残っていたらいずれ買ってしまうかもしれないので(後日談だがその後、在庫が補充された)。大阪(梅田)駅行きのバス。640円。腹が減った。鳥料理 むさし乃。焼鳥定食930円+税。ジン・トニック450円+税。焼鳥の盛り付け方がトルコ料理のケバブっぽい。この辺はストリートよりも地下街の飲食店が充実している。大阪第二ビルと大阪第三ビル(つながっている)の地下2階。興味深い店が多い。食後に見つけたイスラエル料理店が気になる。飲み物の自販機。50円~と書いてあるが40円のもいくつかあった。Al'Tarba x Senbeiの“Rogue Monsters”を聴きながら歩く。Senbeiさんが作る音はどれもドープ。今日の会場であるESAKA MUSEの場所を調べる。梅田から御堂筋線で11分。江坂駅。14時4分、会場の場所を把握。ドン・キホーテが1Fにある。公演情報を知らせる看板に、ESAKA MUSE利用者はエレベータを使うな、階段で上がれ(関係者はいいよ)と書いてある。その階段の場所が分かりづらい。ドン・キ入口の右奥だった。17時開場、17時半開演。グッズを買うわけでもないので、早く来てもすることはない。タリーズ・コーヒー パシフィック・マークス江坂店。ソイ・ラテ400円。ここ最近は過ごしやすくなっていて夏の終わりを感じていたが、また不快な蒸し暑さが戻っている。空調の効いた室内で休んだことで回復できた。

9.7. Sat
先日小3の次男が
「子どもは10時間ねなあかんねん!」
といい、「ストップウォッチで計るわ!」と
計測していました。
初日の記録は9時間41分で
「おしい!俺、今日から8時30分に
ねるわ!」とはりきってました。
次の記録がたのしみです。
(モス・バーガー江坂店 日替わりメッセージ)

4月29日(月・祝)以来にダチと再会。彼の手には空き缶。もう飲んだんですかと私が聞くと、これで3つ目くらいだと彼は答えた。ローソンでしか買えないんですよ、と彼が見せてきたパッケージには12%と書いてあった。仕上がっている様子だった。ノン・アルコールですか? そうですと答えると彼は驚いていた。厳密には私は昼にジン・トニックを飲んでいたが、ほとんど水のようなものだ。私は田村芽実さんのコンサートに関しては、アルコールで脳を麻痺させておく必要性を感じない。むしろ彼女の歌をしっかり聴いて酔いしれるためには、意識はハッキリしている方が好ましい。Hello! Projectは異なる。活力溢れるティーンエイジャーさんたちの元気さに、素面のオジサンが食らいついていくのは難しい。アルコールによるドーピングが有効なんだ。セブン・イレブンでアイス・コーヒー(S)100円を買って店の前で飲む。GEORGIAの缶コーヒーを飲んでいるダチに、その場で豆を挽くコーヒーの優位性を伝える。入場前にカバンをコイン・ロッカーに預けておきたかったが、駅にはなかった。ダチの助言でパチンコ店に入ると無料のロッカーがあったが、鍵が壊れていて使えなかった。彼から今日もらったストリートの知恵:パチンコ屋さんは公衆便所として有用である。諦めて階段に並ぶ。100番毎の区切りで番号が貼ってある。私とダチの整理番号はだいたい同じ。(私はファンクラブ会員だがファンクラブ先行では申し込まなかったので。)私が236番、ダチが200番台か210番台だったと記憶している。ストレスが溜まる待ち時間。汗ばむ暑さ。人の密集。係員がいつどう案内してくるかの不透明さ。イライラすることはタバコを3本吸うのと同じくらい血管に悪いそうだ(池谷敏郎『1日5分! 血管ケアだけで20歳若返る!』)。

番号の呼び出し。17時4分、38番。17時7分、110番、17時9分、140番。17時11分、205番。バックパックをクロークに預ける。渡されたゴミ袋にカバンを入れ、上を縛って渡す。500円。17時17分、フロアへ。9列目の中央を選ぶ。半々、いやロクヨンだな、とHello! Projectの現場でもよくお見かけする異常坊主男性が周囲を見渡し、仲間に言っていた。男女比の話だ。そうやって他の客の属性を把握している彼もまた、癖のある見た目のおまいつがあそこにいるぞと誰かにカウントされている。ただ、Hello! Project現場のおまいつ遠征民の数は控えめだった。せいぜい一ダース程度だったんじゃないかな。Hello! Projectの地方公演だと、地元の人はいますかと演者さんが問い掛けると手を挙げる人は少数なのが常。今日の公演中に、関西の方はどれくらいいますかと田村芽実さんがフロアに問うたところ、少なくとも半分以上の人が手を挙げていた。信じられない様子で、再確認する田村さん。(おそらく関東からの遠征民が大多数を占めるHello! Project地方公演に慣れていたからだろう。)彼女は地元民の多さに感激なさっていた。

音が良かった。田村芽実さんとバンド人員さんたちが織り成す音楽の世界に浸るのが心地よかった。私の位置は縦横共に真ん中くらいだったので、最も音の響きがいい場所だったかもしれない。もちろん前方で観られるに越したことはないが、田村さんのコンサートは平凡な整理番号でも満足できる。コンサートというのは観るものでもあるし、聴くものでもあるし、場合によっては見られる(演者さんと目が合う)ものでもある。脳は視覚情報の処理に容量の90%を使っている(樺沢紫苑『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』)ことからすると、いくら音楽とはいえ視覚による情報の比重が大きいのが自然なのだろう。この名阪ツアーに向けて田村さんは、皆さんの耳を独り占め出来るのが嬉しいとInstagramのストーリーに記していた。今日のコンサートの序盤でも同様の言葉を繰り返した彼女は、だから真面目にしっかりと歌います的な言葉を続けた。目と耳を独占できる、ではなく耳を独占できるという彼女の言葉には、我々の目ではなく耳を奪うんだという彼女のこだわりが表れていると私は考える。2018年5月12日(土)のコンサートで田村さんは、衣装を替えず、盛り上がる曲を選ばず、ステージで動き回らなかったのは歌に集中してほしいからだという旨のことをおっしゃっていた。その精神はワタシノアカシツアーにも引き継がれている。

『花のささやき』で、時が止まればいいねという歌詞を田村さんが歌ったとき、今のことだと私は思った。歌の世界と、この現実世界が(歌詞の文脈とは違うが)同期した。歌う田村さんがいて、聴く私がいる。それだけで世界が構成されているような、マインドフルな感覚だった。このブロックで田村さんは新曲『舞台』、カップリングの『花のささやき』、ボーナス・トラックの『愛の賛歌』の順で歌った。その三曲をこれから歌うと言う田村さん。『愛の賛歌』を歌うのは初めて。家とかでは歌っているけど。レコーディングとか。人前で歌うのが初めて。的なことを言ってから、(『愛の賛歌』を歌うことを)言わなきゃよかったと後悔していた。言わなかったことにするので、皆さんも聞かなかったことにしてくださいと言って我々の笑いを誘った。歌い終わった田村さんは『愛の賛歌』について同じ曲でも歌っているときによって変わる、歌は生き物というのを改めて実感したという旨のことをおっしゃっていた。

今日の私は耳栓を忘れた。朝にAmazonでBananaz 音楽用イヤープロテクター ThunderPlugs Classic(サンダープラグスクラシック)耳栓1,616円を注文したが、今日の受け取りには間に合わない。明日、名古屋のコンビニで受け取る。今日は裸眼ならぬ裸耳で臨んだ。序盤は耳栓なしでも問題なかった ただ、中盤以降は音が大きくなってきて、耳に負担が大きいと感じた。聴力の低下を緩めて難聴を防ぐためにコンサート用の耳栓は必須である。

たしか東京でもそうだったと思うが“1, 2, 3, Go!!”の後半、田村さんは一箇所ラーラーラーの歌い方にアレンジを加えていた。たぶんそのときのアドリブ。音源と同じように正確に表現するのも大事だけど、こういう逸脱(遊び)があると、生のパフォーマンスを体験しているんだなと実感する。Juice=Juiceさんの『生まれたてのBaby Love』における高木紗友希さんの毎回変わるフェイクのようにさ。

この会場(ESAKA MUSE)に着いたとき、過去に何度も来たことがあると気付いたという田村芽実さん。ハロプロ在籍時に何度も立たせていただいたステージ。一人だと見える景色が違うとおっしゃっていた。先日のお台場でのリリース・パーティでも同じことをおっしゃっていた。ショッピング・モールのイベント・スペースとかライブハウス(和製英語)だけじゃなく、いずれはアンジュルムで立っていた中野サンプラザや日本武道館のステージにも一人で立って同じことを言う日が来てほしいと、ファンの一人として私は思う。

田村さんはYoutubeでのカヴァー企画について、やりたいと軽い気持ちで言ったつもりだったのに壮大なカメラ・ワークで、立派なスタジオで…と予想を超える環境を与えられたことへの戸惑いを冗談交じりに話していた。

出演が決まっているミュージカル『ラヴズ・レイバーズ・ロスト』について語る田村さん。役作りの苦悩を明かす。役の女の子が自分と違いすぎる。セクシー。セクシーを通り越して、はすっぱ。はすっぱって分かります? 微妙な反応を受けて説明しようとするが断念する。これまでの役は何とかなるっしょという感じだったが、今回の役はどう演じればいいのか分からなかった的なことをおっしゃった。関西だと兵庫で公演があるので観に来てくださいと呼びかける。

(その前の話の流れを私は聞き取れなかったのだが)これからもずっと変化、進化していきたいという決意を田村さんは表していた。(ちなみに橘玲さんの『「読まなくてもいい本」の読書案内』によると人間の成長に進化という言葉を使うのは進化論用語の誤用である。)

我々のアンコール(最初はミュージカルのカーテン・コールのような拍手、途中からめいめい! めいめい!)を受けて再登場した田村さんは、皆さんが案の定アンコールをしてくださったとおっしゃって、笑いが起きた。

田村さん曰く、時間が過ぎるのが速かった。1時間が体感20分だった。あっという間。皆さんから受ける反応ではあっという間に感じたというのが一番うれしい。皆さんにここで聞いてもフー! とかしか言わないから…どうでしたか?  当然、フー! と返す観客。笑い。あっという間でしたか? あっという間! 言わせてるようになってると笑う田村さん。

田村芽実さんは疑念の余地なくリアルである。その辺のジェイ・ラッパーよりもNasさんが“One Mic”で表現した精神を体現しているのではないか? 同曲の日本版と言える『歌が咲く』を聴きながら私はそう思った。(“One Mic”が収録されているNasさんの“Stillmatic”は私が人生で最も多く聴いたアルバムの一つである。)

私は施設からの退出時(19時13分)、200円のコイン・ロッカーがあったのに気付いた。クロークよりも300円安く預けられたのだ。

夕食の前にダチが預けていたカバンを受け取るためWILLERのバス・ターミナルに受け取りに行った。大阪にアウェーの洗礼(クソ分かりづらい駅周辺の徒歩ルート)を浴び、だいぶ時間を食った。そこからも道に迷い、昼に気になっていたイスラエル料理店に入ったのが20時45分。RUDY'S CLUB DELICIOUSという店。ピクルス500円(マクドナルドのハンバーガーに入っているピクルスと同じ味。おいしかった)。料理名は覚えていないがエビフライと魚フライをスパイシーなトマトソースで煮たもの700円くらい。イスラエルBBQ(鶏肉)880円。エルサレムピザ(お好み焼きのような見た目。青のりのような何かが降りかけられている。メニューの説明によるとイスラエルのハーブらしい)850円。我々は二杯ずつくらい飲んだ。何かのゲームをやっている近くの男女グループがほうれん草! ほうれん草! なぞと盛り上がっているのを尻目に物品の交換をした。私は為永幸音さんの日替わり写真(春の公開実力診断テスト)岸本ゆめのさんの日替わり写真(8月25日のHello! Projectコンサート)を差し上げた。ダチからは山﨑愛生さんの日替わり写真(6月の研修生発表会 名古屋公演)とアンオフィシャル・フォトグラフをいただいた。会計。一人一万円ですと日本人のお兄さん。すみません、言えって言われてるんで。6,???円(6,380だったか、6,800円くらいだったか)と正しい値段を言ってからも、一人と付け加えるのを忘れない。さすが大阪。旅行だからこういうノリを受け入れられるけど、日常生活で外食する度にこんなのをやられたら面倒臭いな。店内でかかっていた音楽がイカしていたので会計時に主人らしき紳士(かなりの肥満で、顔なじみの客に酒を渡しながら、飲め! 飲め! と怒鳴る攻撃性の高そうな紳士。怒らせたら殺されそう)に音楽がよかったです。イスラエルのですか? と聞いた。違う。DJ Party Favor。Party Favor。YouTubeで検索すれば一発で出てくる。

地面を這うゴキブリのような金色の虫、ションベン臭い高架下、公衆便所で三つある洗面所の中央に鎮座する嘔吐物。大阪。ダチと別れる。次に会うのはおそらく来年になる。2月22日(土)のつばきファクトリーのメジャー・デビュー記念日だろうか。23時10分、カプセルホテル大東洋に到着。24時までにチェックインしないと予約がキャンセルされるというのをこの場の貼り紙で初めて知った。結果として間に合ったからよかったけど。iPhoneのWalkerアプリによると今日の歩数は23,346歩。風呂に入ってさっぱり。カプセルに戻ると発生確率が99.9%のイベント、中年異常男性のいびきショーが始まった。私はコンサート用とは異なる遮音用の耳栓をはめ、目を閉じた。


併せて読みたい:“ワタシノアカシ♡”名阪ツアー ESAKA MUSE